【2019年本屋大賞 大賞】そして、バトンは渡された

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本棚登録 : 4767
レビュー : 664
著者 :
kanegon69 さん  未設定  読み終わった 

親子の愛情のバトンリレー。本当に素敵な小説でした。どの親も素敵すぎます!三人のお父さんと2人のお母さん、とっても愛情恵まれて主人公は本当に素敵な青春時代を過ごせたんだなと思いました。もちろん、春になると親が変わる、姓が変わるということによるストレス、寂しさ、安心できない気持ち、距離感を置かざるを得ない感情、いろいろあったと思いますが、でも最終章から振り返って、こんな素敵なバトンリレーってないんじゃないですかね。それぞれの親がもうたまらなく素敵で、しびれてしまいました。

それでもあえて親について一人あげるならば、やっぱり森宮さんでしょう。彼のちょっとずれている感覚、でも娘のために健気に一生懸命になる姿はとても心を打ちました。30代半ばで女子高生を娘として迎える、しかも妻はとっとと離婚、まったくの他人同士の二人暮らし。普通なら放棄したくなってもおかしくないのに、与えられた運命にすごく真摯に向き合い、不器用ながら一生懸命に過ごす姿に感服せざるを得ませんでした。いや、違うな、彼は運命に向き合ったのではなくて、この出会いを人生の喜びととらえていたところが感動です。

最近の高校では合唱というは結構やっているものなんでしょうか。私の時代にはなかったものなので、とても羨ましく映りました。主人公、優子がピアノ伴奏を一生懸命にやった「ひとつの朝」。YouTube で観て、涙だぁー となってしまいました。だめだぁ、こういうの弱いわぁ。。
森宮さんが高校生のとき合唱でやった、中島みゆきさんの「糸」も久しぶりに聞き、涙だぁー  森宮さんが優子に勧める、中島みゆきさんの「麦の唄」も聞いて、また涙だぁー  中島みゆきさんは学生時代にオールナイトニッポンを聞いていて、大好きなんですよね。 3つとも歌詞がとても素晴らしく、本とともに味わって相乗効果で泣いてしまいました。

この本、2章構成なのに、ほとんどが1章。2章は80ページほどでしたが、ちゃんと意味がありました。2章は最後の親である森宮さんがいよいよバトンを渡す番だったんですね!ちょっとふて腐れて、頑なになる森宮さんが愛おしくてたまりませんでした。

そして最後の最後は、ずっと優子視点の話だったのに、森宮さん視点の話に変わります。これはもうズルいですね。最終兵器だされたかのようでした。暖かくて明るい光に包まれるラストシーン、そして最後のバトンを渡す森宮さん、感動のラストシーンに涙だぁー  

どんだけ泣かすんだって!いやぁ、ほんとさすが本屋大賞作。心優しく、涙があふれる素敵な愛情のバトンリレーでした。

レビュー投稿日
2019年5月5日
読了日
2019年5月5日
本棚登録日
2019年5月5日
5
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『【2019年本屋大賞 大賞】そして、バトンは渡された』のレビューへのコメント

まことさん (2019年5月9日)

kanegon69さん。
先日はかえってご迷惑をおかけしてしまい本当に申し訳ありませんでした。おかげさまで昨日、新しいPCが届きました。
この作品に限らず、kanegon69さんのレビューは、登場人物や作品に対する、並みならぬ熱い愛情とユーモアがあり、いつも素晴らしいと思っています。
この作品に関しては、他にも沢山素敵なレビューがあり、今、読んでいますが、私なんかの分け入る余地はないんじゃないかと思っています。
では、また、これからも、よろしくお願いいたします!

kanegon69 さん (2019年5月9日)

まことさん、とんでもない!いつもまことさんのレビューを楽しみにしていますよ!お待ちしております^_^

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