江戸時代、前田藩の窮地を救うために藩御用の飛脚たちが中山道を走りぬきます。飛脚だけではありません。
前田藩の殿様綱紀は、江戸でも国許でも、また参勤交代の時も、屋敷を抜け出して町民の姿に身をやつし、市中を歩き、民の姿を自ら見て歩きます。若い将軍吉宗のために誠心誠意尽くします。吉宗もまた綱紀を心から尊敬し、みずからの後見人であるとまで考えます。
綱紀は、将軍吉宗を源義経にそして自分自身を武蔵坊弁慶になぞらえます。
中山道をひたすら走り抜いて、命がけで大切な書状を届けてくれた飛脚たちに感謝を惜しみません。ひとりひとりが自分自身の源義経のために武蔵坊弁慶となって自らの命をかけて支え合います。この小説の中で描かれているのは、自分に与えられた仕事を忠実にしかも誇りを持ってやり遂げる男たち女たちの姿です。このような人々によって、この国は昔から支えられているのです。
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- 感想投稿日 : 2015年4月18日
- 本棚登録日 : 2015年4月18日
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