図書館で借りた別の本に挟まっていた、誰か知らない人の貸出図書の詳細にあった本。
「そういえばそんな事件があったし、その時は読んでみたいと思ったなぁ」ということで、今回図書館で借りた。
そもそも私は、昼は大企業に勤めるエリート女性会社員が夜は売春婦だったという事実に興味を持った訳で、その興味というのもそういう境遇になった女性の心の変遷に興味があった。
でもこの本は被害者になったこの女性の心の変遷にはほとんど触れておらず、容疑者となった(後に無罪)ネパール人の男性のこととか裁判の経過などを追うばかりで、全くの期待外れだった。
エリート家族、優秀なOLなど紋切り型の形容も寒々しく響く。そもそも被害者はいわゆるOLと形容されるようなお茶汲み要員ではなく、大企業に総合職で採用された女性であり、それが男女雇用機会均等法による形ばかりの職だったとしても(或いは本当に期待されて就いた職だったとしても)、「東電」「OL」殺人事件などというキャッチーな呼称で呼ばれること自体にさえ違和感がある。
初版は2000年5月10日だからもう23年も前の本になる。その時代にはこういう認識が一般的だったという証左なのかもしれない。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年8月31日
- 読了日 : 2023年8月31日
- 本棚登録日 : 2023年8月31日
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