黒い天使の目の前で (扶桑社ミステリー)

  • 扶桑社 (1992年4月30日発売)
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感想 : 2
3

ハイスミスばかり読んでいると、ハイスミス慣れしてしまうな…と思ってしまった。
でも、やっぱり好き(笑)たくさん書いているところもすごい。マクベインもそう。この個性はすばらしい。

81年の作品集。原題は「黒い家」。邦題は別の作品が選ばれています。
やはり推理小説ではないし、サスペンスでもスリラーでもない。犯罪がからんでそうな、とか不穏な空気の漂う作品集。

仲間外れ
黒い天使の目の前で
うちにいる老人たち
どうにでもなれ!

の5本が心に残った。(よかったとも、おもしろかったとも言いにくいのがハイスミス…)

うちにいる〜は、これから自分が老人カテゴリーにかなり近づいているので、とても考えさせられる作品でした。
仲間外れ、黒い〜、凧 の3本は、辛い3本。
うちにいる〜と、黒い〜は、ハッピーではないハッピーエンド…きつい。主人公は最後に救われたような、そうでないような…

どうにでもなれ!は、個人的にはちょっとふざけた話。女性読者はどう思うでしょうか。

凧の少年は痛ましく…喪失感から立ち直れないままの悲劇…こういうことは形を変えて実際に起こっているのだと思い…

今回11作品で〇5つ、△6つ。全体として星3つ。
◎をつけられなかった…だって、ひどい話ばかり…それが好きなくせに!とひとりつっこみしております。ただ、冒頭のとおりハイスミス慣れしてしまったか…という感じです。





読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年12月3日
読了日 : 2024年12月1日
本棚登録日 : 2024年11月7日

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