風に吹かれて (扶桑社ミステリー)

  • 扶桑社 (1992年12月30日発売)
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感想 : 6
4

星が4では少ない…4.5です。
5つにならないのは、毒が強いせい?なんとなく満点はイヤだ…

すごい短編集でした。
そもそもハイスミスはトリックの人ではないので、どんでん返しはあまり期待できないのですが、この短編集は、軽いどんでん返しやSFも複数もあって、読み応えがありました。

とにかく読んでいて、視覚に訴えてくるのです。文字しか追いかけていないのに映像が視えてくる…他の作家さんでも起こりますが、ハイスミスの場合、よりクリアな映像が視えるのです!(幻視ではありません…)

そんなわけでこの作品集で、さらにさらにハイスミスを好きだ、と思ってしまいました。
ただ、どの作品が一番良かったか?と言われると、木を撃たないで、かな。現代に通じます。
風に吹かれては、若い二人がよい。
一生背負っていくもの、は、正当防衛でも人を殺してしまったら、実はこうなるのかも…という現実を見ました。
割れたガラス、勇敢に立ち向かい切れない時が、いつかはやってくる…
ベビースプーン、主要登場人物みな、イヤな人に描かれています。

ふう。おもしろかった!現在新刊の流通はなし。
92年の初版。税込540円。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年3月8日
読了日 : 2023年6月13日
本棚登録日 : 2023年2月27日

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