石の宗教 (講談社学術文庫)

  • 講談社 (2007年3月9日発売)
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道祖神、庚申塔、お地蔵さん。道端にある謎の石。たまにおじいさんが拝んだりしている。あれはなんだ?という疑問から読んでみました。著者は、これらは仏教や修験道の影響を受けたデザインや意味をもっているが、もともとは石に祈りを捧げる日本人の素朴な庶民信仰があったのだと説きます。論は説得的で言及する例も面白い。賽の河原の由来や荒魂を塞ぐために石を積んだという話はなるほどと感心しました。最後の解説を読んで初めて著者が日本仏教民俗学という学問ジャンルを拓いたほどの碩学であることを知り納得しました。読んで損はない本だと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年12月16日
読了日 : 2022年12月16日
本棚登録日 : 2022年12月16日

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