一行怪談 (PHP文芸文庫)

  • PHP研究所 (2017年7月7日発売)
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淡々と1ページに1行ずつ、綴られる怪談。

・題名は入らない。
・文章に句点は一つ。
・詩ではなく物語である。
・物語の中でも怪談に近い。
・以上を踏まえた一続きの文章。

この五つの凡例で、サクッと読めて、ブワッと想像力を掻き立てられる。

『誕生日のたび、鉈と花束を持った女が現れ、窓の外から祝いの言葉を叫ぶのだが、花の数は毎年一本ずつ減っていて、今年はついに鉈だけを手にした女が来ることになる。』

でゾッとなったり、

『そっと箪笥をのぞくと、片一方の靴下がもう片一方を飲み込んでいた。』

なんていう、ちょっと、それは表現力のなせる一行だったりと、くすり。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年8月1日
読了日 : 2024年8月1日
本棚登録日 : 2024年8月1日

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