認知特性テストをやったことがきっかけで読みました。
自身も特に仕事で苦手としていることで不利になることがあり、やりづらさを感じていたので、「特性」というキーワードには興味があり、知識を深めたいと思っていました。
本書のタイトルにある「頭の良さ」とは、IQや記憶力だけではなく、一人ひとりに生まれながらに備わっている資質や能力を最大限に活用できる人のことだと言っています。
正直、「確かにそうなのかもしれない」という目から鱗の感覚と、「とはいえ本当にそうかな?」という感覚がありました。
「頭がいい」か判断するのは他人なので、他人も特性のことを理解していないと読み書きができる、記憶力がいい人が結局「頭のいい人」だと認識されて本人は行きづらくなるからなのだと思います。
そういう意味では、親や上司はもちろん、たくさんの人に「認知特性」のことを理解をしてもらい、苦手な部分も含めて「個性」だと認めながら得意なことを生かせるようになる世の中にしたいですね。
本書は基本的には子供の発達と認知特性について書かれていますが、大人の立場でも参考になります。著者や彼女の夫、子供の特性や行動を例にしていてわかりやすかったです。
覚えておきたいメモ
「言葉は自分のものではなく相手のもの」言葉は相手に受け取られた瞬間に相手のモノになる。相手の立場に立って考えた会話こそ、コミュニケーションである
手先が器用な人は大脳を効率よく使えている。脳を発達させたければ手作業をせよ
人は9歳を境に「記憶の脳」から「思考の脳」にシフトする
「暗記=記憶」という訓練ではなく、試行錯誤による成功体験などの経験記憶の引き出しを増やしてあげる
思い違いや勘違いは衝動性ゆえの結果(勘違いが多い私もきっと衝動的なのだろう)
弱い感覚があったとき、その感覚だけを強化しようとしてはいけない
リハビリテーション学からも、麻痺のあるからだのほうを鍛えるのではなく、麻痺がないほうのからだを鍛え、そのサポート役として麻痺のある側も一緒に鍛えていく
- 感想投稿日 : 2022年3月25日
- 読了日 : 2022年3月25日
- 本棚登録日 : 2022年3月3日
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