本著は、錯覚資産を用いて、人生を好転させる方法を述べている。錯覚資産とは、認知バイアスにより、人々がある人に対して持つ都合の良い思考の錯覚であり、一種の資産として機能するものである。
錯覚資産が生じる原因として、脳が「一貫性・原因・結論」を過剰に求めることが挙げられる。脳は、自分に都合よく事実を書き換え、一貫したストーリーを好む(〇〇はなにをやってもできる)。また、原因を作り出す(成功したのは、(偶然であっても)実力があったからだ)。さらに、充分なデータが揃っていなくても、むりやりに結論を出す。
錯覚資産を運用していく上では、1つの良い属性値に引っ張られ、ほかの属性値も底上げされるという「ハロー効果」と、人々の脳は、すぐに利用できる情報だけを使って答えを導き出すという「利用可能性ヒューリスティック」の掛け合わせで算出することができ、これを活用することで、人生において様々な可能性に恵まれ、環境が変わり、錯覚資産も雪だるま式に増加していく。
今ある資産(仕事での成功)を、どのように魅せ、うまく錯覚資産として運用していくか。現実世界は、実力ではなく思考の錯覚を通して判断されるため、錯覚資産を最大限に作り出していけるかが成功の秘訣である。
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- 感想投稿日 : 2018年8月20日
- 読了日 : 2018年8月20日
- 本棚登録日 : 2018年8月18日
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