文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

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レビュー : 1522
著者 :
ニシキさん  未設定  読み終わった 

京極夏彦初挑戦。あまりの分厚さに最初は面食らったが、一度紐解いてしまえばめくるめく語りと強烈な探偵役たちにグイグイ引き込まれあっという間に読了。とにかくキャラクターが魅力的な作品である。ワトソン役を仰せつかったはずなのに余りにも信頼の置けない鬱病の語り手関口、仏頂面の拝み屋で理屈の鬼の京極堂、他者の記憶を幻視する躁病探偵役榎木津と三者三葉に濃い。そうした彼らの語りを目で追ううちに、気がつけば事件は予想だにしない様相を帯びて我々の前に立ち現れてくる。確かに読者に対してフェアなミステリとは言い難いかもしれないが、この作品は読みながら推理するというよりは関口と一緒に怪異に囚われ、京極堂の推理に身を任せた方がより強いカタルシスを得られるような気がする。この小説に、邦ミステリの新しい土壌を確かに見た。

レビュー投稿日
2019年2月4日
読了日
2019年2月4日
本棚登録日
2019年2月4日
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