主人公のスペックを盛りすぎて作者が持て余している典型。
エリート高校のS特待生で野球もエース級。
その上で超優しいしイケメンの友達とつるんでる。更に高校生から一人暮らしもしていて夢は医者。
こんなスペックしながらごく普通の一般高校生ですみたいな顔されても読んでるこっちは困惑する。ラノベ主人公に必要な読者に共感性を持たせる要素が欠けている。
よほどの不細工でもなければ告白くらいされそうなもんだし恋人も作れそうなものだ。
さて、タイトル通り飛び降り自殺をする寸前の美少女を助けるところから始めるから始まる。
基本ご都合主義的な話の進行なので登場人物はみなわかりやすいテンプレ的性格をしている。こうなるかな?という展開を読者が予想してその通りになってやったね!と言うくらいしか物語としての楽しみ方はない。原案は漫画だそうなのでそっちは絵としての魅力があるだろうが小説ではキツい。
何より救われないのはヒロインがただただ誰からも都合のいい女の子としての扱いしかされていない事だ。
父親からも、物語からも、悲しいのが主人公からも。
主人公のヒロインへ接し方はとても優しい。優しくしてくれる。死にたくなるほど憔悴していた少女は優しくしてくれた男に都合よく安心して受け入れる。
悲しい話で主人公はヒロインの事を『彼女というアイコン』としか見てないように思える。主人公がヒロインに優しくするのは『恋人になったから』に尽き、『恋人らしい事』『彼氏らしい行動』以外はしてくれない。もっともラブコメなんだからそういうものだろうと言われればそれまでかもしれないが。
それでも『初白小鳥』という1人の女の子にフォーカスが合っていないのは残念だ。
ストーリーはとにかく主人公の都合のいいように進行する。都合よくナンパされて都合よく助けが入り都合よく友人はあしらいがうまく都合よくナンパした男は乗せられる。
漫画で読むならサクッと見れるがラノベだと終始単調だった。
- 感想投稿日 : 2022年1月5日
- 読了日 : 2022年1月5日
- 本棚登録日 : 2022年1月5日
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