八月の六日間

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本棚登録 : 1574
レビュー : 262
著者 :
制作 : 謡口 早苗  大武 尚貴 
8minaさん 自然・山   読み終わった 

ブログでもTVでも紹介されていた本でしたが、なぜか食指が動かず。先日本屋のポップに誘われ何気なく開き、表題の八月の六日間をぱらりとめくり、挿画に思わずあっ、となりました。
富山駅からバスで薬師岳の登山口に達し、北アルプスの山懐、黒部川源流の雲ノ平に至る山行。何十年前に辿った登山と同じルートではないか。

アプローチが長く、歩く人も少ないので、山渓では天上の楽園と紹介されていました。そのまま即購入、単独山行の静かな雰囲気と、時折少しだけ不安になるあの感覚を再度味わうことになりました。

会社生活を始め、週末になるとあちこちの山を巡っていた時代が懐かしい。私も主人公と同じく、人のペースに合わせるのが苦手で単独行を好んでいました。山に入りひたすら歩き続け、深い森で迷い、急峻な岩場に緊張したり、全身の感覚が鋭くなり、幾分ハイな気持ちで山歩きを楽しんでいた、あの頃と主人公の気持ちが重なります。

雲ノ平に至る太郎小屋でも午後の2時ごろ天候が悪化、ゴロゴロと稲妻が鳴り出し、慌てて小屋に駆け込んだところ激しい雷雨が襲ってきた経験も今は懐かしい。黒部川の源流は斜面に残る雪渓の雪解けの雫。ポツンと溶けて滴り落ちる一滴が集まり、やがて大きな黒部川となっていく。
むろん、雫をカップにあつめて生まれたての黒部の水を堪能しました。

雲ノ平以外にも、八ヶ岳連邦の天狗岳、高見石小屋、白駒池など、自分と同じ山行ルートがいくつも出てきました。はしご場、ザレ場、鮮やかな高山植物、ガスって見通しの効かない行く手、雨に打たれ気持ちが萎えかけるが、やっと着いた山小屋でのビールの旨いこと、全く同じ感覚です。

読後、押入れに保管していた古い40リットルのザックを出し、本棚に飾られた雲ノ平から撮影した薬師岳の写真を眺めながら、はるか昔?の山行を思い出す。山好きには大変面白い一冊でした。

むろん、地上に戻った主人公、独身アラフォー、女性編集長の思いも聴いてあげねば。

レビュー投稿日
2014年6月28日
読了日
2014年6月28日
本棚登録日
2014年6月24日
14
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『八月の六日間』のレビューへのコメント

カレンさん (2015年3月2日)

8minaさんも山、されていたんですね。
私は遅がけから始めまして、ただいま夢中です(^o^)
ですので山を題材にした本には飛びついてしまいます。
雲ノ平にも行かれたんですね~
水晶とセットで行きたいと思っているのですが、中々日程が・・・
また是非、山再開してくださいね。

8minaさん (2015年3月2日)

カレンさん、こんにちは。
今日は家の用事でお休みですが、午後はゆっくりと読書できそうです。
独身時代の山行も、結婚し、子供ができてからは遠のいてしまいました。車いっぱいの道具を積んだキャンプも、そんなに喜ばなくなるほど子供も大きくなり、そろそろまた単独行の山歩きの時期かもしれません。

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