図書館の神様 (ちくま文庫)

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本棚登録 : 3202
レビュー : 421
著者 :
8minaさん 文芸   読み終わった 

学生時代にバレーボールに打ち込んできたが、訳あって将来の夢をあきらめた早川清。名前の通り清く正しく真っ直ぐに生きてきた学生時代、過去の苦い思いからの反動か、男女関係も少々屈折していた。

バレーボールの顧問になれるかも?と赴任した高校で任されたのは文芸部。ただ一人の部員である垣内君。ピュアで真っ直ぐな垣内君、とても落ち着いて動ぜず高校生らしからぬ言動には、にくらしいやらほほえましいやら。

初めての出会いと二人の会話では、おいおい、どちらが先生だよと突っ込みたくなる。いい加減、脱力感たっぷりの清に対しても、常にクールで冷静な垣内君。ときおり二人の会話のぼけとつっこみで、掛け合い漫才のように聞こえてしまうのは私だけか。

文芸部の朝練は図書館の本の整理、分類コードをやめて分野別に全部並べ直し、重労働ですよね。

「本屋さんになれそうですね」
「どっちかっていうと、司書でしょう」

そりゃそうだ。

忘れていた気力も思いだし、答えの出るはずもない逃げ込んでいた、都合の良いだけの男女関係からも抜けだし、再度青春のパワーにさらされる清。

最後の部活で運動部の間をぬって疾走する二人。図書室に戻り床に仰向けに寝転がる。

「なんなんだ、これは」
「なんなんでしょうね」
「いやあ、ひざも笑ってるし、私も笑ってる。体中が笑ってるし」
「あれ、これって青春」
「どうやらそのようですね」

瀬尾さんの優しさいっぱいのドラマでした。

レビュー投稿日
2015年8月12日
読了日
2015年6月20日
本棚登録日
2015年3月14日
8
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