サヘル・ローズ 砂漠に咲くバラ
初めて彼女を知ったのは、TV番組”探検バクモン”に出演していた時。爆笑問題との微妙な間合いの掛け合いが面白く、好印象でした。

イランに生まれた彼女の生い立ちを知ったのは、それからしばらくした後でした。1980年台のイランイラク戦争の中で家族を失い、養母フローラ・ジャスミンと出会い日本へ。それからの生活は楽ではなく、というより差別、いじめ、ホームレスと、大変な苦労を経験されたことを知りました。

言葉はまさに言霊。
人に寄り添った言葉は、人を癒し、微笑みを与え、ほんわかと柔らかいベールで包んでくれます。苦しんでいる人にかけるべき言葉が見つからず、自分も苦しくなる時もあります。
この本は彼女の心の中にある、あたたかな思い出や、つらい思いを、同じ気持ちを抱いているかもしれない私たちに届けてくれる、言葉の花束です。

”私は強くない 私は弱い だけど 弱者じゃない”
”私からアナタへの(言葉の)花束、良かったら受け取ってくださいね。”
サヘル・ローズ

GIORGIO ARMANIの”CROSSROADS EP.3”にも出ていますね。
https://www.armani.com/ja-jp/experience/giorgio-armani/crossroads

2023年11月19日

読書状況 読み終わった [2023年11月19日]
カテゴリ 心理

”出産一時金50万へ引き上げ”、昨日岸田政権が打ち出した子育て世代への支援策。一方で2022年の出産人数は80万人を割りこむ予測、人口減少が続きます。雇用環境の安定しない非正規雇用も変わらず、実質賃金の長期低下、子供を産んで育てて社会に送り出すため、家庭の負担額は楽ではありません。日本社会が暮らしやすく、海外の方も含めて住みたい国にするには、どうしたらよいのでしょうか。

2019年末に最年少女性首相サンナ・マリン政権が誕生したフィンランド。幸福度ランキング世界一、移民が住みたい国世界一、スウェーデン、ノルウェーとともに北欧3国の一つ。2021年人口が550万人と日本の20分の一ですが、限られた財政、経済規模の中、人こそが資源と福祉への手厚い配分を実施しています。いろいろなメディアでも盛んにフィンランドメソッドが取り上げられていますが、本書は長くフィンランドの内側にいらっしゃった堀内さんが、レポートを試みています。

・自己肯定感が高く、社会の中でつながりを保ち、孤立させないシステム。
・様々な選択肢が可能であり、行きどまりの無い社会システムを整えたうえ、システムに硬直性がなくフレキシブルに変革、運用が可能な社会。
・子供のころからの教育社会体験を通じて、若い人たちが自ら社会を変えられるという感覚を持って、実行できる社会の受容度が高い。

北欧の小国、ソ連と国境を接し、軍事的危機も経験してきた国ですが、様々な社会システムを今も改善しています。行き詰まり、硬直度の高い日本と対比して読んでみると、良い点がどうしても目立ちますが、それでも出生率低下、高齢化、ポピュリズムの台頭など課題はあるようです。我々日本の将来を考えながら、もう少し深く学んでいきたいですね。

2022年12月12日

読書状況 読み終わった [2023年5月4日]
カテゴリ 社会・思想

いせひでこさんの水彩画や、ガブリエルバンサンの素敵なデッサンを見ていると、自分もかけたらいいなあと思います。

You Tubeを見ていると多くのレッスン動画がありますが、Makoさんの動画はステップバイステップ、シンプルなアプローチで分かりやすいです。

最初のページのコメント。
To everyone who is afraid of failure.
Remember, everything is a valuable experience, Nothing is wasted, but it's a waste to do nothing at all.
少しトライしてみましょう!

2022年11月14日

読書状況 読み終わった [2023年5月4日]

Autumn in New York
10月の終わりハロウィーンももうすぐ。日々気温が下がってきてセントラルパークも黄色や赤の紅葉で彩られています。

New York ShetchbookはNY公立図書館で見つけて、水彩画の好きな両親に届けました。川越しの摩天楼、チャイナタウンの雑踏、ブリックブラウンの街並み、NYのスナップショットと解説でマンハッタン散歩が楽しめます。

フランス出身の画家Fabice Moieauは、いろいろな街並みの水彩画を描いています。本と一緒に旅してみたいですね。マンハッタンにはまだ行っていない美術館、博物館がいっぱい。原田マハさんがキュレーターを勤められていたMOMAにももう一回行ってみたい。

2022年10月24日

読書状況 読み終わった [2022年10月24日]

韓国のイラストレーターPuuungさんの本がありました。
Youtubeに登録してあり、時々動画を楽しんでいます。

若いカップルと、時々一匹が繰り広げる暖かい日常が短いストーリーで描かれています。

仕事で互いに遠く離れていても、スマホ片手に遠距離恋愛。カフェに集う若い仲間たち。思わず微笑んでしまいます。

コマの少ない動画ですが、動きもぎこちなさも、絵の柔らかさと相まって良い雰囲気です。

前にポスターを購入しようとしたら売り切れ、本は手に入りそうなので機会があれば購入してみます。

2021年12月29日

読書状況 読み終わった [2022年10月24日]

倉嶋厚さん、我々にはNHKのお天気おじさん、解説員として馴染みがありますね。四季折々の情景を交えながら、気象学に基づく温かみのある平易な語り口は、我が家でも人気でした。

二十四節気、七十二候、変化に富んだ日本の季節を表現する風情のある言葉です。農作業のサイクルを中心に、変化する自然を感じながら、天気は我々の生活に深くかかわっています。万葉の昔から、生活の中で生まれてきた天気とかかわる言葉には、多くの知恵と風情が含まれています。

倉嶋さんの著作に”人文気象学”という表現があり、まさにその通り。学者の視点から切り取った、物理化学の気象学だけではなく、人の暮らしと密接した柔らかな視線がとても心地よいエッセイでした。

今は小寒から大寒に向かう時期、一年で一番寒い時期ですね。それでも雪の中からは、鮮やかな黄色の”蕗の花咲く”。その後には立春、”春風が氷を解かし”、”初鶯の声を聴きます”。

現代の激しい気候変動よる造語、”ゲリラ豪雨”は勘弁ですが。

2022年1月17日

読書状況 読み終わった [2022年1月17日]
カテゴリ 自然科学

他の国の言葉を学ぶことは、その国の文化を学ぶこと。
他国の本を原著で読むことができたら、言葉の持つ語感、言葉成立してきた社会なども全部一緒に伝わってきて、どんなに素晴らしいことでしょう。

ベトナム南部ホーチミンで仕事をしていた時、仕事が終わって語学学校に通って勉強していました。1年間かけて入門レベルのベトナム語を先生と1対1で学びましたが、離れてしまい使わないと忘れてしまいますね。

本の帯に”新書のようにスラスラ読める”、”文法用語にたよらない入門書”とありますが、一度基本を教わった方には、”そうだよね”、”あるある”とまさに読み物ですが、初めてベトナム語に触れる方には理解しずらいかもと感じました。

歴史的に中国文化の大きな影響を受けてきたベトナムですので、声調などの難しさもあり、短いベトナム語であいさつしても、日本語の分かるベトナムスタッフに”ベトナム語に通訳”してもらうこともしばしば。

2021年12月29日

読書状況 読み終わった [2021年12月29日]
カテゴリ 社会・思想

The Boy, the Mole, the fox and the Horse
と同じ掲載ですが。日本語版も読んでみたい。
昨年読書の中で心に残る本です。

昨年CBS Sunday Morning で紹介があり、すぐに欲しくなって近所の小さな街の本屋さんで探しました。”子供の本のコーナーにあります”と教えてもらいましたが、内容な読む方の年齢、状況に応じて、子供でも大人でも心に響くものがあると思います。

子供でも大人でも、大きさの違いはあれども、”自分に大切なものは何だろう””何のために生きているのか”、”耐え難い孤独を感じる”と、思い悩むことはあるかと思いす。

”Often the hardest person to forgive is yourself”
自分自身を認めてあげること
”When I have dared to show my weakness”
自分の弱さを見せることは、とても勇気がいること
”Asking for help isn't giving up”
助けを求めることは、あきらめることではない

日本に一時帰国した時、電車の広告に”日本語訳もでて評判”とありました。きっと何度も読み返す、大好きな本の一つになるかと思います。

P.S.本の表紙裏にあるメロディーが知りたくて調べました。Youtubeにも出ていますのでお楽しみください。楽しく軽快な馬のギャロップのようです!

2021年12月28日

読書状況 読み終わった [2021年12月28日]

この20年間日本の実質賃金が上がっていないのは周知。まともに仕事をしていても、生活できないワーキングプア―問題、労働人口の減少と高齢化による公的年金維持の困難さ、サプライチェーン変化と流通コスト上昇、次年度からの輸入依存のエネルギーコスト上昇。生活実感は暮らしにくくなっているなあ、ということだと思います。

”デフレ脱却により生活を豊かに”、”量的緩和によるインフレ誘導”など政府諸策も有効に機能していません。なぜ日本が一人負けしているのだろう? どこが間違っているのか? 今までの政府説明、各マスメディアの論説をベースに考えていたのですが、本書を読んで判断ベースが揺らいでしまいました。

製造業に身を置くものとして、生産性向上はコスト低減、競争力維持のために不可欠です。ただ、日本全体の経済構造が輸出依存の製造業に偏っていたのは、これも事実です。この間主要先進国は経済構造を変え、より付加価値生産性の高い事業構造に変化していました。

新興のアジア諸国も国内GDPの上昇により、実質物価水準、労働賃金が徐々に上がってきているのは肌に感じていました。東南アジア、ベトナム、カンボジアでさえ毎年7%の成長率、やや陰りは見えるとはいえ、中国では10%近い成長率です。

日本がデフレ基調から何を刺激しても立ち上がらない、この根底に企業活動の機能不全があるとする主張は納得できます。政府の政策によるのではなく、我々企業のビジネスモデルが変わらないと、経済成長率も戻らないし、豊かな国も維持できないというのは非常事態です。

2021年12月26日

読書状況 読み終わった [2021年12月26日]
カテゴリ 社会・思想

本好きの皆さんは、きっとお気に入りの図書館をいくつかお持ちだと思います。
私も国内にいるときは、木のぬくもりのある市立図書館、モダンで明るい県立
図書館を根城にしていました。

マンハッタンにあるニューヨーク公立図書館(NYPL)、正面入り口には2体の大きな
ライオン像があります。FortitudeとPatience不屈の精神と忍耐。クリスマスシーズンにはリースも纏っています。物語の舞台はここなのかな?とも想像してしまいます。

この本を読むとき、子供たちの想像の世界は豊かに広がっていきますね。ふわふわの暖かな毛皮にもたれて
お話しを聞いたり、図書館の中をライオンにまたがってお散歩したり。 ”図書館の中で騒いではいけないのがルールです”メリーウェザーさんに叱られしょんぼりするライオンがほほえましい。

クリスマスの自分へのギフトに、作者Michelle Knudsenサイン入りの、Special
EditionをNYPLから購入しました。大きなライオンのマグカップと一緒に。

Merry Christmas & Happy New Year!

2021年12月26日

読書状況 読み終わった [2021年12月26日]

縁あってベトナムの組み立て工場を任され、数年の間現地から教育実習生の問題を見てきました。会社を辞めて日本への送り出し機関に参加する者、実情を知らないまま日本で働くことを選んでいく従業員もいました。皆自分を、家族を幸せにしたい、豊かになりたいという動機です。数年後日本に戻ると特定技能制度に変わっていましたが、本書において明らかなように、形を変えた労働力確保の方便です。

 ベトナムの地でJAICAとの連携もあり、この問題を考えていました。大学の先生方からも教育実習制度は、この国に必要な技術や、豊かな国に変えていく仕組みではないとお話ししていました。同感。

 実態は移民という労働力に支えられながら、移民制度を認めない国、日本社会に必要な仕組みとして働いていらっしゃる仲間に、気づいていながら無関心の我々にも問題はあります。
 
 コロナ禍で厳しい環境を耐えていらっしゃる、国内非正規雇用の皆さん含め、今この問題を深く考え、行動に移していかなければと思います。

2021年12月26日

読書状況 読み終わった [2021年12月26日]
カテゴリ 社会・思想

昨年CBS Sunday Morning で紹介があり、すぐに欲しなって近所の小さな街の本屋さんで探しました。”子供の本のコーナーにあります”と教えてもらいましたが、内容は読む方の年齢、状況に応じて、子供でも大人でも心に響くものがあると思います。

子供でも大人でも、大きさの違いはあれども、”自分に大切なものは何だろう”、”何のために生きているのか”、”耐え難い孤独を感じる”と、思い悩むことはあるかと思います。

”Often the hardest person to forgive is yourself”
自分自身を認めてあげること
”When I have dared to show my weakness”
自分の弱さを見せることは、とても勇気がいること
”Asking for help isn't giving up”
助けを求めることは、あきらめることではない。

国が助ける前に、自助、共助を求めた国と違って、今暮らしているアメリカは、助けを必要とする人を、当たり前のように助け、助けられる人も負い目を感じることは少ないです。これは日本に無くなってしまった、共に支える社会かもしれません、学びなおさねば。

日本に一時帰国した時、電車の広告に”日本語訳もでて評判”とありました。きっと何度も読み返す、大好きな本の一つになるかと思います。

P.S. 本の表紙裏にあるメロディーが知りたくて調べました。Youtubeにも出ていますのでお楽しみください。楽しく軽快な馬のギャロップのようです!

2021年12月28日

読書状況 読み終わった [2021年1月15日]

街はそこで暮らす人々とともに成長し、変容していく。

東京の西部に広がる多摩丘陵、そこにニュータウンが誕生したのは半世紀前になる。
行政を中心とした街づくりの中、車社会、職住分離、核家族といった時間とともに変容する生活様式に、街は次第に魅力を失い多くの課題を抱えるようになっている。

都市計画(アーバンデザイン)、街の再生にはどのようなアプローチが可能か。
ポートランド”世界で一番住みたい街をつくる”という表題に魅かれて本書を読み進めました。

アメリは西海岸、オレゴン州ポートランドは今では自然豊かなコンパクトな街づくり、持続的発展可能(サステイナブル)な街づくりを目指し、多くのクリエイティブな人を魅了しているそうです。

ポートランドも例外ではなく60年代の急速な車社会、工業の発展で豊かな自然は荒廃し、市街地の住環境も悪化していました。街の再生プロセスで興味深いのは、州政府の下に置かれた複数の都市をまとめるメトロ政府とトライメットという組織。ここで数十年先のマスターコンセプトを作るのですが、再開発に伴う利害関係者(行政、市民、事業者)で長期にわたるワークショップを開催しコンセプトを煮詰めていくプロセスがあります。

現在では日本でも市民参加の説明会等もありますが、やはりマスタープランの説明会というイメージが強い。参加する市民の意識も高くないと、利害対立を超えた住みやすい街づくりコンセプトはできないのですかね。

2020年12月31日

読書状況 読み終わった [2020年12月27日]
カテゴリ 建築・都市

ある日家に小さくてふわふわの生き物がやって来た、アメショーのトト。猫と暮らす前とその後の生活、ご自身の変わり様をBC(Before Cat), AC(After Cat)と表現されていた。座布団1枚!

状況は昔の我が家と全く同じです。拾われた時の小さな毛玉であった彼は、その後自分の価値を理解し大きな顔で家族の一員として暮らしていました。ただ、雄である故か大人しくはなく、数日家に戻らないこともしばしば。

角田さん宅のトトは大変奥ゆかしいお嬢様のようでうらやましい限りです。それでも最初に食べた猫缶じゃなきゃいやだとか、遊びたがりで手作りのおもちゃを追いかけながら廊下をドリフトしていたり、トトの仕草の一つ一つにあるあると頷いてしまいます。

表紙があまりにも猫萌しているので、電車の中でカバーを掛けながら読んでいたのですが、顔の表情にダダ漏れしていたかもしれません(恥ずかしい・・・)。

2015年8月30日

読書状況 読み終わった [2015年8月30日]
カテゴリ 猫・犬

少し時代は遡り、世の中はバブル景気で賑わい、そして経済が停滞していった時代。1988年から1992年に雑誌Hanakoに連載されていた、ごく普通の女性の日常を描いた作品。

今でいうアラサー独身女性のるきさんと、お友達のえっちゃん。るきさんの行動はやや世間のテンポからずれているのか、のほほんとした雰囲気に微笑んでしまいます。社会に出て会社勤めのえっちゃんとるきさんの日常が、微妙な間合いで続いていく。

黒電話、駅の切符自販機なんて背景も懐かしい。マキシムのケーキなんて小さな贅沢だ。ある日、なんだか不機嫌なるきさん、原因はお腹が空いてたの、なんて連れ合いと同じだ。

科学の会話が日常におりてきた「ドミトリー・トモキンス」やら、「おともだち」のレトロな雰囲気も独特の作風ですね。

2015年8月22日

読書状況 読み終わった [2015年8月22日]

アラスカの大地の中で語る星野さんの静かな声に耳を傾けていると、いつしか自分も同じ世界に存在しているような感覚になる。本のページをめくりながら、アラスカの地図を横に広げ、ああ、ここがユーコン川で、フェアバンクスはここか、西にはベーリング海、と一緒に旅をしていました。

太古に自然から離れ、自分たちの都合に合わせ、自然を従え、制御し、変化させていると錯覚してしまう人という存在。人の非力な営みなど吹き飛んでしまう、圧倒的な大きさと、悠久の時間で語る自然を前にして、無力で小さな存在であることを知るとき、鳥や狼や熊、他の生き物と同じように生かされているという感覚を持つのか。

吹きすぎていく風の音と自分の存在だけ、自然の中に包み込まれるような感覚がとても静かで穏やか。このような感覚を味わった後は、毎日目にする木々や鳥の声、身を屈めると見えてくる無数の虫たちの営みを、静かに見つめることができるのではないか。自分が自然の一部であり、生き死にも深くかかわる共生という視点。

自然に抗うことなく、自らも自然の一部として生かされているという感覚を大切にしたアラスカインディアンの方たちとの生活。時の流れで変化しているとはいえ、自然に対する畏敬の念は忘れていない。アラスカの地に根付き彼らとの生活を愛した星野さんの姿が、静かな語りを通して伝わってくる。

黒部川の源流、山深く旅した時の感覚を思い出しました。
いつの日にか、白い大地の中でゆらめくオーロラを見てみたい。

2015年8月22日

読書状況 読み終わった [2015年8月22日]
カテゴリ 自然・山

ブックのいた街 (図書館のおすすめ本)

家族の中にあり同じ時間を過ごす猫や犬って特別な存在ですね。我が家でも昔いっしょに暮していた猫(彼)との暮らしは、多くの写真とともにそれぞれの思いとともに残っています。

言葉は通じないのだけど、互いに阿吽の呼吸というか、小さなころから一緒に暮らしていれば、”水かえてよ”、”猫缶かえたでしょ、これ嫌い”、”ちょっと気分悪いから近づかないで”、とか雰囲気は分かりますよね。

ラブリ商店街(どんなネーミングだか)の住人とともに自由に暮らす野良犬アイリッシュ・セッターのブック。賢く、逞しく、人に寄り添う気持ちは優しく誠実。住人達の悩みに寄り添いながら、共に暮らし、年老いていく。

ブックの心の中にいつまでも宿る希望は、特別な一人との再会。
「大好きだよ、おやすみ」
「おはよう、大好きだよ」
彼が繰り返しくれた言葉と共に。

上手く作られたお話しとは分かっているのですが、やはりほろりとさせられてしまいます

2015年8月2日

読書状況 読み終わった [2015年7月31日]
カテゴリ 猫・犬

そうか、そうなんだ。会話をスムーズに行うということは、自分での発信力ではなく相手が発言しやすくなる会話の場を提供することなんだ。

人と話すことがあまり得意ではない自分も腑に落ちる部分あり。新聞でも紹介され図書館の予約も多数入っていました。多くの人が実際のコミュにケーションの場に苦労、違和感を感じているんだと再認識。

「会話はゲームである」
「勝ち負けを論ずる対戦型ではなく、参加者全員の共同プレー」
「ゲームのゴールは、気まずい雰囲気を誰もが抱くことのないこと」

コミュにケーション障害であった吉田さんが、ラジオ番組のパーソナリティーというありえない逆境の中、独自に築きあげたコミュニケーションのノウハウ集と言ったらよいのだろうか。

2015年7月26日

読書状況 読み終わった [2015年7月26日]
カテゴリ 心理

NHK朝のニュースでも紹介のあった、篠田桃紅さんの著作。103歳でもなお現役の芸術家である篠田さん。女性は伴侶を得て家に入り家庭を守るというのが当たり前の時代にあり、人に依る生き方に疑問を抱き、自分本来の生き方を選んできた。

書の世界で身を立て、戦前戦後の厳しい時代を生き抜いてきた。墨を用いた抽象画の世界に導かれ、単身ニューヨークまで個展を開催しに飛び込んでいる。

その自由闊達さ、潔さを羨望するとともに、運命的な出会いも含め、永らえた生き方をとらえる視点は、肩に力が入らず柔らかくそして穏やか。

「常識の世界に生きなかったから、長生きできた」
「苦労なんかしてないわね、したいことしてるだけ」
「人生というものをトシで決めたことはない」
「人生の予想は立てられない、すべて成り行き任せ」

篠田さんのコメントに多くの方が共感しているとニュースは告げていました。

粋でおちゃめなおばあ様という感じですが、一筆の直線に秘める墨の濃淡、一度限りの形との出会い、向き合うまなざしは齢に無関係にキラキラと鋭い。

2015年7月26日

読書状況 読み終わった [2015年7月26日]
カテゴリ 社会・思想

いつからか詩を書けない詩人、子供の死に心深く罪の意識を宿す編集者、友人の自殺未遂に自ら外の世界とつながる言葉をなくしてしまった少女、少女に語りかける真の意味をもつ言葉を探し続ける母親、4人をめぐる言葉と詩の物語。

作者の谷川さんご自身が詩を書かれるので、言葉に対する執着、愛着は強い。
「意味を失ってしまった言葉に、もう一度意味を持たせるにはどうしたらいいのか」
「詩は心の内側に降りていくための階段」

物語の中に出てくる純粋な言葉と詩へのこだわりの対極に、物欲にまみれた現実の描写は詩の純粋さを際立たせる。ラストで用意された、詩人と編集者、少女と母親の行き着いた結論はもう少し深く味わいたかった。

2015年7月26日

読書状況 読み終わった [2015年7月26日]
カテゴリ 文芸

本書は「ふんばろう東日本震災支援プロジェクト」で中心的役割を果たされた、西條氏のチームマネジメント手法を中心に展開していく。新しい組織マネジメトの方法論として提起される構造構成主義の概念は、本書で初めて聞く考え方であった。

構造構成主義は次の三つの基本原理に基づく。
1)価値の原理:すべての価値は、目的、関心、欲望に応じてたちあらわれる
2)方法の原理:方法の有効性は、目的、状況によって決まる(変化する)
3)人間の原理:人は関心に応じてたちあらわれた価値を欲して生きている

我々が実施してきた過去の多くの組織運営においては、経験に基づく知恵の体系化により、多くのマニュアル、ガイドライン、ルールを制定し、行動の規範とする場合が多かったと考える。 また、組織内の情報伝達も各階層を通過して、収集、判断、実行が行われてきた。予測できる範囲の変化とスピードに対しては、これら経験の蓄積も有効であった。

しかしながら、予想を超えた大災害時にはマニュアル、ガイドラインのみでは不十分であり組織内の情報伝達ルートが途切れても、自主的に判断し自立的にフレキシブルに動くことのできる組織論が求められる。
この方法論そのものは新しいものでもなく、民間レベルでの企業活動でも多く用いられてきた”現場力”の一つであろう。

フレキシブルな組織を運営していくために、組織に参加するメンバー間に、共通の価値を達成する目的、ビジョンが必要である。
状況の変化に応じ目的が達成されたら、新たな価値を求めるために、組織も自ら変化し消滅していくことを是とするなど、ああそうかと気づかされるところも多い。

組織内での人を生かすという意味での”適材適所”も人は関心に突き動かされ動いていくという原理の視点に立つと、チームの有効性につながる運営も可能と気づかされる。

ふむふむ、とうなずくところも多く、平常時ではあるが、多様な人材と日々変化する状況に対応せねばならない組織運営を新たな視点で見ていこうと思う。

2015年8月12日

読書状況 読み終わった [2015年7月10日]
カテゴリ 社会・思想

人工知能開発における”ディープラーニング”の概念は、情報関係を学ぶ子供から教えてもらいました。

人の脳の中も、多層で複雑なニューラルネットワークと外部感覚器官からの刺激の間の関係で成り立っていると思うのですが、この機能を再現することがいかに困難であるか。人工知能の機能構築を考えていくと、逆に脳科学の世界と密接に係り、自分たちの内側にある世界を記述することが複雑で困難であるかを改めて理解することになる。

物を他の物から区別して理解すること(特徴量を見出す)、そして言葉の概念を付与していく。区別された事象に意味のネットワークをどのように構築していくか。象徴的には「猫を見て、猫と理解すること」を機械の中で再現することが、どれほど困難なことであったのか。

従来の人工知能のアプローチ(IBMのワトソン、ディープブルーでさえ)では、多くの入力応答系の教え込みが必要であり限界がある。機械が自分自身で特徴量の抽出、意味ネットワークを構築していく機会学習のアルゴリズムがディープラーニングの意味するところ。

「シンギュラリティー(特異点)」という考えがあるようで、これは人工知能が自分の機能以上の人工知能を自己再生できる時点を表した物。これ以降は指数的に人工知能の能力が爆発していくという懸念。ターミネーターの世界を想像しつつ、そうは話が単純ではなく、人の思考や創造性はもっと複雑でしなやかだと思う。I will be back!

2015年8月2日

読書状況 読み終わった [2015年6月30日]
カテゴリ 自然科学

きょうせんせいが いつもとちがうこえでいった。
「かないくんが亡くなりました」
いきてれば みんなといっしょだけど しんだらひとりぼっち

幼いころのクラスメートの死。
これは”私”の祖父が創作途中の絵本のお話し。

「死を重々しく考えたくない、軽々しくも考えたくない」
「この絵本をどのように終わればいいのか分からない」

人は死んだらどうなるの、命がなくなるってどういうことなの。分からない故に死を恐れもするし、生に固執することもある。死んで向こう側にある人は何も感じないし何も伝えられない。自分では決して経験できない死を考え、案じるのはこちら側の人だけ。

絵本を書き終えぬままホスピスに入る祖父。
「金井君の絵本、まだ書き終えていないのに」という”私”の言葉に、「死んだら終わりまで描ける」と囁く祖父。

とても根源的な命題に、絵本を読んだ子供たちはどのように感じるのだろうか。
向こうの世界で金井君と絵本のラストを描いている?

2015年6月20日

読書状況 読み終わった [2015年6月20日]

母一人に育てられ、自分の出生の疑問を持つとともに、母親の性格と生き方に反発していたアキコ。母親の死後は全てをリセットするかのように、古い食堂をシンプルでナチュラルなパンとスープだけのお店に変えてしまった。母親を否定しながらも、常連客に気遣いながら自分の新しい生活を築いていく。

母親の営んできた庶民的な食堂も、アキコが手掛けるシンプルなお店も、食べる人に喜んでもらいたいという気持ちは同じか。食べる人の喜ぶ顔を思いながら作る料理はどんな形であれ、人を幸せにするし、それ以上に自分自身を豊かにしてくれると最近とても思います。

家猫のたろちゃんの雰囲気もかわいらしく、若い時分にあそんで、あそんでと絡んでくる仕草は昔の同居人を思い出します(猫の出てくるお話には弱い)。

気が張っているアキコも少し疲れたのか、自分の出生に迫るお寺を訪問し、縁戚かもしれない方との静かで穏やかな会話に魅かれてしまう。やがて仕事が忙しい中での、たろとの突然の別れ。アキコの目からは孤独の涙がとめどもなく流れてくる。


これ、TVドラマでも放映されていたんですね。準主役のたろがスリムなキジトラ猫になっていて、ちょっぴりイメージが違うかも。主役のアキコは小林聡美ですが、つい猫の所作に目がいってしまって・・・

2015年8月12日

読書状況 読み終わった [2015年6月20日]
カテゴリ 猫・犬
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