誰よりも狙われた男 (ハヤカワ・ノヴェルズ)

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本棚登録 : 73
レビュー : 8
制作 : 加賀山卓朗 
ABAKAHEMPさん  未設定  読み終わった 

飛び交う銃弾もなければ、手に汗握るカーチェイスも、さらには甘い一夜も出てこない。あるのは、職業にスパイ活動しか選べない人々の嘘であり沈黙、さらにはそれに翻弄される人々の魂や希望である。それらがひたすらページをめくらせる。刊行時と世界情勢は何も変わっていないと思わせるのは、独首相の通話傍受だけではあるまい。95%の白でも5%の灰色を持つ人物を容赦なく引っ捕まえるのは、彼らがみなすテロの脅威の性質上、もはや個人の罪と集団の罪を区別していないからで、最後には100%白の人物でさえ連れ去ってしまうのはそのためだ。

一点ケチをつけるとすれば、バッハマンらドイツ情報部の人間たちが、「もっとも狙われた男」としてイッサに狙いをつけた背景がわかりにくいのだ。おそらく何か裏にあるのだろうと読み進めたが、もしあとがきを最初に読んでいたら、結末まで想像がついて読むのを止めていたかもしれない。

レビュー投稿日
2014年2月15日
読了日
2014年2月9日
本棚登録日
2014年2月15日
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