楽観主義者の未来予測(上): テクノロジーの爆発的進化が世界を豊かにする

  • 早川書房 (2014年1月24日発売)
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現状に対する認識も悲観的ではない。「現在、貧困線以下で暮らしている米国人は、アフリカの人々よりも進んだ暮らしをしているだけでなく、わずか100年前のアメリカで一番の金持ちよりも、はるかに進んだ暮らしをしている」とし、「新しいテクノロジーの進歩によって、人間の大部分は近いうちに、今は富裕層にしか手が届かないものを経験できるようになるだろう」と説く。かつては希少だったものを、潤沢なものへと変えることができるのがテクノロジーの力で、水にもアルミニウムのようなイノベーションが起れば、「潤沢な世界」が待っている。

「あらゆるものが潤沢にある」世界を、悲観主義者は「夢物語だ」と頭から否定し、楽観主義者は「手の届きやすいところにある」と信じ挑戦する。

きっかけはヴェンターやケーメンのような一部の「繰り返し成功する天才」によってなされるのかもしれないが、その先には「一つの問題が解決すればほかの問題も解決されていく」ようなプラスの連鎖反応が待っている。

この「潤沢な世界」を実現するために必要なのは、「指数関数的な変化」だけでなく「協力の促進」も欠かせないと著者は考え、例として鉱山の金埋蔵量を試算するコンテストを取りあげる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年5月29日
読了日 : 2014年8月31日
本棚登録日 : 2015年5月29日

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