フロスト始末〈上〉 (創元推理文庫)

4.14
  • (49)
  • (65)
  • (21)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 413
レビュー : 42
ABAKAHEMPさん  未設定  読み終わった 

いつもは下品でワーカーホリックの上司フロストの部下となる新人の視点から、読者は架空の町デントンを旅することになるのだが、今回はフロストの視点になっている。これは、署長らによるフロスト追放の画策がサブテーマとなっているため、彼は住み慣れたわが家を追い出される瀬戸際まで追い詰められ、たびたび亡くなった妻への思いに引き戻されるという展開上のことなのだろう。もうひとつ意外だったのは、いつもは読者もへとへとにさせるほど徹夜が続くのに、今回のフロストは割と休息時間が多く、短時間ながらも寝ているのだが、へまは相変らず。

芹沢恵さんの訳は、シリーズを通して評価が高く、今作でも微妙な言い回しを含めた冗談の掛け合いを日本の読者にもニュアンスが伝わるように上手に訳されているのだが、フロストの携帯が鳴るのを常に"さえずる"と訳されたのには違和感を感じた。あのフロスト警部が着信音を小鳥のさえずりのような穏やかなメロディに変えているわけではないだろうにと思って原文を当たると、ただ"when his mobile rang"を"携帯電話がさえずりだした"と訳していた。考えに考えての訳かもしれないが、イメージとかけ離れた不釣り合いな印象。

レビュー投稿日
2018年2月9日
読了日
2017年8月26日
本棚登録日
2018年2月9日
1
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『フロスト始末〈上〉 (創元推理文庫)』のレビューをもっとみる

『フロスト始末〈上〉 (創元推理文庫)』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。

いいね!してくれた人

ツイートする