母に勧められて読んだ。
最初はわりと、元社長令息・現社長(会長)の自分語りなんだろうなぁと思いながら読み始めた。
読後は、
一冊の本として、分かりやすい構成になるように
読んだ時に、読者が自分のことに繋げられるように
とても配慮されているという印象を受けた。
前半は、おりづるタワーの建設者として拘った部分や込めた思いについて。
後半は、いわゆる一般家庭ではなく、企業経営一族という華麗なる一族に生まれその中で享受したこと、悩んだことについて。
読者に対して上からでも下からでもなく、自慢にも卑屈にもならず言葉が紡がれていた。
章と章の間は、著者のFacebookにあった日記からの引用。詩的な文で綴られる想いは熱量が高め。本文が限りなく読者に配慮して綴られている(熱苦しくなりすぎず、タワーのことを知らない人が読んでもウッとならない)ので、この部分では本文よりも著者の心が少しだけ剥き出しになった感。何かひとつの物事をゼロから作り完成させることに対する情熱をより感じられる部分だった。
本は、読者のために書くものかも知れない。
でもこの本は、読者のためでもありながら、未来の著者自身のために、限りなく繊細にまとめられた「未来の自分への手紙」のような気もした。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年12月1日
- 読了日 : 2019年11月30日
- 本棚登録日 : 2019年11月30日
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