高瀬庄左衛門御留書

著者 :
  • 講談社 (2021年1月20日発売)
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感想 : 127
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久しぶりに時代小説を読んだ。それなりに事件は起こるのだが、静かな世界観で、藤沢周平の小説を読んだ後のような感じ。
郡方の高瀬庄左衛門は息子を亡くし、再び郷村周りをはじめた。息子の嫁の志穂は実家に帰したが、再婚を断るため、絵で身を立てる、ついては絵を教えてほしい、と非番の日に弟の俊次郎と共に来るようになった。ある日、志穂から弟の宗太郎が何やらおかしな事に巻き込まれていると告げられ、調べに行った庄左衛門は半次という蕎麦屋と知り合う。

さらさらと読みやすく、物凄くたちの悪い人も出てこないため、読んでよかった。郷村周りをしていると、どろどろとしたものが浄化されていく、ので郡方の仕事は嫌いではない、という庄左衛門の言葉は畑の草取りは大変だけど、ストレス解消できるな、というのに通じて、納得。鶯や山雀、梅や桜、海など、自然がたくさん出てくるのもよい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年6月4日
読了日 : 2022年6月4日
本棚登録日 : 2022年6月4日

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