おじいさんのランプ

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本棚登録 : 61
レビュー : 14
著者 :
mamohacyさん  未設定  読み終わった 

<b>【一口感想】</b>
 「どんなに優れたビジネスモデルもいつか終わりが来ることを初めから覚悟せよ」

<b>【3行要約】</b>
 ・1人の男がビジネスを立ち上げてからそれを畳むまでの人生の物語
 ・ビジネスを立ち上げる者はそれに固執せずいつでも損切りできる覚悟が必要
 ・時代の変革を受け入れられないと自分以外の誰かに怒りの矢が向くことに気をつけろ

<b>【所感】</b>

※ネタバレ注意。読了後読まれることを推奨します。

雪洞しかない時代に石油ランプが売れると気づき、はじめは小さいながらもスタートしたビジネスが
キャズムを超え、破壊的イノベーションが持ち込まれることで終焉を迎えるまでのショートストーリー。
巳之助という主人公が貧しさから抜け出し、貪欲な向上心をもってビジネスを軌道に乗せていく様や、
そのビジネスが終わるということを受け入れられずに、周りに毒をはきまくった挙句、一度は事件を
起こしかけるという心の葛藤が、現代のスピードの早いビジネスの移り変わりと見事に重複する。
当時はこのタームが数十年という単位だったが、今は数年、下手すると数ヶ月というペースになった。

この本が訴えたかったことはなんなのかイマイチ掴めずにいるが、私個人としてはこう捉えた。
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ビジネスモデルはどんなに努力したところで別のものに取って代わられる日が必ず来る。
それはどんなに勉強熱心で向上心が豊かな人であっても受け入れがたいタイミングとスピードで
ある日突然やってくる。
その時に、最後まで抵抗するか、そそくさと諦めて次に行けるかは、本人の選択次第。
新しいビジネスを立ち上げる身分にある人間は、そのビジネスが必ず終わるという自覚と
自分とその家族が路頭に迷うことがないよういつでも「損切り」できる勇気と覚悟は
持たなければならない。
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この物語の最後で、巳之助はランプのビジネスを辞めたあと本屋に転身し、商売を息子に預けている。
この本が書かれたのは1996年であり、当時は本屋は普通に繁盛していたはずだ。
しかし昨今の本屋の状況を見ると、巳之助と彼の息子はきっとまたビジネスの損切りを考える
局面に来ているはず、というのはなんとも感慨深い。

レビュー投稿日
2020年2月17日
読了日
2016年4月14日
本棚登録日
2020年2月17日
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