学生時代が遠のけば遠のくほど授業で学んだことなのか、小説や映画、ドラマなど楽しみを通して知ったことなのかがあやふやになって来ている歴史。遠い昔のことであればあるほど「新発見」があって、学生時代に学んだ真実が今では違う捉え方に変わっていることもあるでしょう。
歴史をどんなふうに捉えるとよいのか、どんな見方があるのかを理路整然と教授してくれる本でした。前書きにもある通り、何度でも必要に応じて、必要と思われる項目の再読のために手元に置いておくとよい本だと思いました。
備忘録として目次を記します。
第I部 過去から/過去を思考する
第1章 歴史に法則性はあるのか - 歴史と変化の理論
第2章 過去の痕跡をどうとらえるのか - 歴史学と史料
第3章 時間をどう把握するのか - 暦と歴史叙述
第II部 地域から思考する
第4章 人々の「まとまり」をとらえなおす - 歴史の中の国歌と地域
第5章 現代社会の成り立ちを考える - グローバリゼーションの歴史的展開
第6章 植民地主義と向き合う - 過ぎ去らない帝国の遺産
第III部 社会・文化から思考する
第7章 世界像を再考する - イスラームの歴史叙述と伝統的世界像
第8章 内なる他者の理解に向けて - 儀礼と表彰、完成の歴史学
第9章 当たり前を問う、普通の人びとを描く - 日常史と民俗学
第IV部 現在から/現在を思考する
第10章 「近代」の知を問いなおす - 歴史学・歴史叙述をめぐる問い
第11章 アナクロニズムはどこまで否定できるのか - 歴史を考えるコトバ
第12章 「私たちの歴史」を超えて - ともに生きる社会のために
- 感想投稿日 : 2021年2月23日
- 読了日 : 2021年2月23日
- 本棚登録日 : 2021年2月23日
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