水滸伝 1 曙光の章 (集英社文庫 き 3-44)

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本棚登録 : 2593
レビュー : 315
著者 :
KiKi (Brunnhilde)さん 父の蔵書   読み終わった 

ついこの間、岩波少年文庫の水滸伝を読了した際、KiKi はその Review で「天罡(てんごう)三十六星」「地煞(ちさつ)七十二星」についてちょっと触れたわけだけど、この北方水滸第1巻の章立てがどうなっているかっていうとこんな感じになっています。

天罡の星(北斗星)
天孤の星
天罪の星
天雄の星
地暴の星
天微の星
地囚の星
地霊の星

で、因みにこれを水滸伝で108人に割り当てられた星と豪傑の相関図で結び付けてみるとこ~んな感じです。

天罡の星: 玉麒麟・盧俊義
天孤の星: 花和尚・魯智深
天罪の星: 短命二郎・阮小五
天雄の星: 豹子頭・林冲
地暴の星: 喪門神・鮑旭
天微の星: 九紋竜・史進
地囚の星: 旱地忽律・朱貴
地霊の星: 神医・安道全

必ずしも章のタイトルとそこで描かれる物語が全て一致しているわけではないけれど、まぁ、まぁ、この第1巻で登場する重要な人物とはほぼ一致している感じです。

  

この第1巻で一際輝いているのは「豹子頭・林冲」なんじゃないでしょうか?  実際のところ KiKi は初読の際、この第1巻で一発で林冲にやられ、その後も林冲の文字を見る度に心踊らされたものでした。  そして、岩波少年文庫の「水滸伝」では単なるハチャメチャ暴れん坊に過ぎなかった「花和尚・魯智深」もこっちの物語ではやっぱりいい味出しています。

再読なのでこの後王進先生がどんな風に物語に絡んでくるのかを知っちゃっているだけに、今回は王進先生にはあまり萌えなかった(苦笑)んだけど、初読の際には彼の生き様はどこかLothlórien_山小舎暮らしに通じるものがある(あっちの方がず~っとストイックだけど ^^;)だけに、かなり興味を持ったものでした。

この「北方水滸」で KiKi が一番気に入っていたこと。  それは単に「志」「志」と連呼する戦闘で戦う男たちだけの物語ではなく、そんな反乱軍を支える糧道の話がこの第1巻にして既に表れているところ、そして武勇の人だけではなく戦が始まれば必ず必要になる「医者」と「薬師」を早々に登場させているところが挙げられます。

「世直し」「反乱」「豪傑」「英雄」な~んていうのは、どんな物語にも、そしてゲームにだって当たり前のように出てくるプロットだけど、反乱軍を養うためには金も食料も必要だし、まして戦が始まれば怪我人も出てくれば死人も出てくる。  そういう周りを固める言わば「脇道」的な話がどれだけ出てくるかが物語のリアリティに貢献する部分は大きいと思うんですよね。  

KiKi の大好きな上橋菜穂子さんの作品でも「食」に関する記述はものすご~く多いけど、この北方作品にもそれに近いもの(但しやっぱり男性のしかもハードボイルド作家の筆致だから「美味い! 美味い!」の連発でちょっと残念だけど)があるように感じます。  朱貴の店の「魚肉入り饅頭」とか「阮兄弟の鍋」なんかは是非食べてみたいものです。  (この先に登場するとある暴れん坊のお料理もね 笑)

王進さんと言い、安道全先生と言い、薛永と言い、「○○バカ」みたいな人が出てくるのもなかなかに魅力的です。  現代社会で生き抜くためには「可もなく不可もなく」みたいなバランスの良い人間の方が良しとされる傾向が強いわけだけど、「○○バカ」と呼ばれるぐらいに突出した何かを持っている人間っていうのは自分の身近にいたら便利ではあっても時に鬱陶しかったりもするものだと思うけれど、やっぱり物語世界では魅力的にうつります。

さて、物語はまだまだ始まったばかり。  全19巻で恐らく全108章のうちまだまだ最初の1冊です。  引き続き第2巻に読み進もうと思います。

レビュー投稿日
2013年7月22日
読了日
2013年2月16日
本棚登録日
2013年7月22日
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