本書では、「笑い」の一般的な類型について概観した後、旧約・新約聖書のユーモアについて述べていた。その上でキリスト教史の「笑い」を記述し、時代・社会により「笑いとユーモア」の評価の違いなどについて言及していた。特に興味深かったのはイエスの「アイロニカルなユーモア」である。その機知に富んだ言い回しが聖書の1つの魅力ではないかと思えた。また、「決して笑いの言語では語らない」という中世キリスト教の世界観に驚いた。キリスト教と笑いとの関係が学べる良書であると思う。
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カテゴリ:
哲学・思想
- 感想投稿日 : 2006年3月25日
- 本棚登録日 : 2006年3月25日
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