完璧な病室 (中公文庫)

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本棚登録 : 1789
レビュー : 169
著者 :
りかさん 小説   読み終わった 

怖いくらい美しく、
私と弟で完結する世界。
その完璧な病室は雑然である現実とはかけ離れた
純粋さしかない世界である。
私は弟と病室にいることで何事にも邪魔されず、
また姉と弟という関係であるがゆえに
そこはまたプラトニックである。
そして弟を投影しているK医師との関係は
性的な関係が介入しているにも関わらず
父性や母性を彷彿させる。
あまりに生活感を感じる現在の夫との暮らしと、
不潔感さえ漂うある種の生活感のない母と弟との暮らしと、
作られたもので囲まれたような弟との完璧な病室。
その対比がとてつもない狂気に結びついていた。
それは『冷めない紅茶』でも『ダイウィング・プール』でもどことなく仄暗い思いを抱いた。

レビュー投稿日
2013年5月23日
読了日
2013年5月23日
本棚登録日
2013年5月23日
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