以前「文学のおくり物」シリーズで出ていたものが再刊されていたのですね。乱暴に言ってしまえば、主人公のホーマー少年が街のひとびととかかわるうちに世界の意味を発見していく物語。しかし、ひとつひとつのささやかなできごとはあまりにも切ない。見えている物やことどもは昨日と変わらないのに、もう同じように見ることはかなわない。そのなかで生きる喜びを見いだすにはやはり幻視のちからが必要なのでは。「人間の悲劇は生きる意味を持てないことにあるのではない。意味がなければ生きられないところにある」ということばが思い出されます。
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- 感想投稿日 : 2006年4月30日
- 本棚登録日 : 2006年4月30日
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