芸能グルメストーカー

著者 :
  • コアマガジン (2006年9月1日発売)
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感想 : 5
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芸能人オススメのお店(実在)を訪れるグルメレポートマンガなのだが、その紹介している芸能人に対して、徹頭徹尾、過度の思い込みを持って一喜一憂し、料理の感想もそこに無理矢理落とし込んでいるのであった。そういうわけで「ストーカー」と、タイトルそのまんまの大変解り易い内容になっている。

泉正之といえば、80年代初めのギャグマンガシーンで、吉田戦車、しりあがり寿らと共に全く新しい笑いを提供し時代を築いた、ギャグマンガ界の寵児。藤子不二夫かエラリー・クイーンか(w)という二人で一人の共作漫画家である。
デビュー作『夜行』も最近文庫で復刻されているが、このころから一貫して、「本郷番」というハードボイルド・ダンディの男を主人公としたシリーズを描いている。本書はその最新作。瑣末な事に拘るダンディズムを<b>貫き通せない</b>渋がり男のトホホ感を、今現在三十代半ば〜四十代の世代には<b>身につまされる共感</b>を持って描く作風だ。

本作もその辺りの共感の笑いは健在である。チョイスされる芸能人が、上は杉田かおるから下は安達祐美というレンジで、工藤静香、井上和香、菊川怜、篠原涼子等々がネタにされている。例えば菊川怜。本郷は彼女オススメの店、青山・ブルーに赴きロコモコ丼を食し、甘ったるくて胸焼けのするロコモコ丼にHAWAII=KONISHIKIというイメージを経て胸焼けしましたという顛末。その間に菊川怜に対する先入観、独断的思い込みが、「実際にヤるとあまりヨクナイ気がして仕方が無い」から「いや、絶対にヨイに違いない!」にまで昂ぶってしまうのである。

文章で書いても何のことやらさっぱりワカランな(w。ようは、食欲と性欲を結びつけようという、実にバカバカしい妄想実験マンガなわけである。

女子禁制な方面で抱腹絶倒である。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: マンガ
感想投稿日 : 2006年10月6日
本棚登録日 : 2006年10月6日

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