少し前に読んだ「がん治療の95%は間違い (幻冬舎新書)」(http://mogura7.zenno.info/~et/wordpress/?p=3125)はカルチャーショックだったんですが、その時の読感に記した、反論本も読んでみよう!(そのものズバリ)で、購入した本。
ただ構成を間違えているんじゃないかというのが、まずもっての感想。
第1章で、いきなり「近藤医師を徹底批判する」となっており、
「一例のみを根拠として全てのがんに当てはまる」的な近藤さんの見立てを随所で批判なさっているが、近藤本のどこそこのデータが可怪しいので全てが間違っている!としている批判そのものが、裏返しのような印象が拭えない。
近藤理論が胡散臭いという先入観で読む人には本書の構成は問題ないかもしれないが、近藤シンパが読むと途中で投げ出したくなってしまうんではないかなぁ。これが最終章あたりにあったんであれば、もう少し素直に読めたと思う。
まぁ、自分は近藤シンパとまではいかないので、ぐっと我慢して最後まで読んだんですが、確かに世の中全体で見れば、適切ながん治療で治った例がたくさんあるので、近藤理論は極端だったねとなるわなぁ・・・というか、自分が読んだ近藤本のタイトルにあった数字が、100%でなく95%であったということは、特別セールの値引き率と同じようなものだという前提で解釈はしていたんですけどね。
しかし、近藤さん以外の、(流行りの)免疫力や自然治癒力のほとんどが、学会でちゃんと取り組んでいるもの以外は全てがまやかしだと断じているような権威主義的な匂いがプンプンの書き方なので、読み物(お話)としては、近藤さんに軍配が上がって、医学としての信頼性は悔しいけど本書に置くしか無いかなぁ・・・というのが自分なりの結論。
(2016/4/19)
- 感想投稿日 : 2016年5月5日
- 読了日 : 2016年4月19日
- 本棚登録日 : 2016年4月4日
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