久し振りに手に取ったカルヴィーノ作品。
宿命の交わる城、あるいは酒場で、無言の客人たちがタロットカードを用いて、自らの物語を語る。誰も声を発さず、食器の触れ合う音だけが響いているような情景の中、カードが一枚一枚並べられていく度に、場の静寂が徐々に揺らいでいく。
純粋にカードの持つ寓意性を、語り手(著者)が妄想力によって紡いでゆく物語群。読み手の言語感覚や、想像力をぐらぐらと揺さぶってくる。
毎度の事だが、この作家は物凄い。
読書状況:未設定
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2007年11月20日
- 本棚登録日 : 2007年11月20日
みんなの感想をみる