歌うカタツムリ-進化とらせんの物語 (岩波科学ライブラリー)

著者 :
  • 岩波書店 (2017年6月13日発売)
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カタツムリの研究の視点から進化論の研究の移り変わりを解説。

理論がどう、と説明するだけでなく、どの研究者がどういう研究でその理論に至ったか、それは学会にどういう論争を起こしたか、が細かく書かれていて、読み物としても面白かった。

ダーウィン、ギュリック、木村資生らの著名な研究者が登場する。グールドは直接面識があるとのこと。

進化は麻雀に似ている、というエピソードはなるほどと思った。

しかし、そういった知的な刺激に満ちた内容は、20世紀末から今世紀にかけて離島のカタツムリが相次いで絶滅するという悲しい話で幕を閉じる。

アフリカマイマイを撲滅するために人為的に持ち込んだ生物(ヤマヒタチオビやニューギニアヤリガタリクウズムシ)が食べ尽くしてしまったせいであり、そのような安易な「科学的知見」の応用は何度も取り返しがつかない結果を招いたと訴える。

そして、科学的研究の価値を役に立つか、役に立たないかで評価し、役に立つものだけに投資しようという考えは科学にも、科学の外側にも災厄をもたらすと警告している。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 科学
感想投稿日 : 2020年7月31日
読了日 : 2020年7月31日
本棚登録日 : 2020年7月31日

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