少女病

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本棚登録 : 85
レビュー : 18
著者 :
a-daitohさん  未設定  読み終わった 

ちょっと前に蒲団を読んで、すっかり田山花袋が好きになった。私小説の走りとして名前は超有名だが、それだけ花袋の書く小説が凄かったというのが納得できる。
蒲団もこの短編もそうだが、その変態っぷりというか男の哀しい性というか、主人公が本当に自分勝手で最悪なんだけど、分かってしまうのだ。
主人公は37歳の妻子持ち。蒲団と同じ子だくさんで、日々の生活の唯一の楽しみは通勤の行き帰りに乗り合わせる少女たちを眺めること。その趣味行動とともに、職場の人間関係が嫌とかとにかく寂しいとか心情を吐露するが、そのやるせなさはある程度歳をとらないと分からないだろう。オチで男は唐突に死んでしまうのだが、この突き放した感じもいい。
100年経った今でも衝撃的なんだから、当時読んだ世間の驚天具合は凄かったんだと思う。
名作という言葉とは少しイメージが違うが、永遠に色褪せないであろう中年男のための文学。

レビュー投稿日
2015年9月10日
読了日
2015年9月10日
本棚登録日
2015年9月10日
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