サイトウさんがなんだかなぁと思いました。
このひとと居ると疲れきってしまう
みたいな表現が文章中にされていたんだけど、この感覚よくわかります。
自分がどんどん自分でいれなくなっちゃいそう。
「彼にとって自分は、子どもが胸に抱くぬいぐるみみたいな存在だった」
って主人公が振り返る場面があるけど、この通り、そんなふたりの関係だったんだろうなぁ。
夏休みに主人公の野田さんは、友人キクちゃんとその家族と交流していくんですが
このくだりがわたしはとても好きです。
少しずつ、ほんとに少しずつだけど、野田さんが元気になってくのが素敵。
まだ、サイトウさんの影や傷は抱えたまんまだけど、それでもちょっとずつでも元気になってく過程が好きです。
森の中でずっと迷い続けてる野田さんだけど
もちろんすぐに出られるわけもないんだけど
物語が進みにつれ、そんな暗い森のなかに少しだけ陽が射したような、それを感じられてうれしかったです。
キクちゃんが後半で野田さんに話すとある言葉がとても印象的です。
わたし自身にも言ってもらってる気がしました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
しょうせつ★
- 感想投稿日 : 2009年2月14日
- 読了日 : 2010年10月14日
- 本棚登録日 : 2009年2月14日
みんなの感想をみる