藤岡陽子さんの作品は3冊目。
教師になり5年めの澤木ひかりが、問題を抱える水柄小学校6年2組の、新しい担任になった時から約1年間の奮闘記。
子どもは、親を選べない。
家庭に入れば、子どもにとって親はすべてだと思う。子どもは過酷な状況でも、なんとか順応しようと試みるものだ。
ひかりのクラスには、学校給食で命をつなぐ子どもがいる。私は(たくさん食べてたくさん眠る)は子どもの特権だと思っている。もし日本のどこかでおきていることなら悲しすぎる。
子どもは先生も選べない。
理不尽なことをされても、抵抗できない。
自分のことを真剣に考えてくれる先生を、どこかで探している。
そこに「光」がさす。ひかり先生の存在だ。
ネグレクト、発達障害、児童虐待、外国人児童問題、小児性愛、次々と起こる問題を持ち前の行動力で突き進んでいく、ひかり先生は頼もしい。
「神様、この世に生まれたすべての子どもたちを幸せにしてください」
ひかり先生の言葉はやさしく尊い。
どんな状況においても、子どもには未来があり、可能性を秘めていると思う。
今、小学校の教師は激務だと聞いた。
子どもたちの笑顔のためにも、先生にはいつも元気でいてほしいと願うばかりだ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年12月9日
- 読了日 : 2024年12月9日
- 本棚登録日 : 2024年12月3日
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