恋文の技術 (ポプラ文庫)

  • ポプラ社 (2015年1月2日発売)
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本棚登録 : 13145
感想 : 1105
4

これこそ自分がイメージしている森見登美彦。
最高にくだらなくて、洒脱でオシャレ。
書簡体小説というジャンルらしいが、これが最高に森見先生にフィットしている感じがした。

恋文を描く練習の為、友人、知人や先輩などと文通の武者修行を行う主人公、守田一郎。
相手により文体やキャラを変えて、文通をしていくのだが、同じ体験を話しているのにここまで、違う言い回しやテンションで書き分けるかと非常に面白い。そして、森見登美彦作品のお家芸である謎の食品。以前の作品ですっかり、「電気ブラン」にハマったが、今回は「天狗ハム」。あと、「猫ラーメン」。
特に前者は何回ともなく登場するので本気で食べたくなってきた。後、能登半島のイルカにも会いたくなってきた。

文通相手としては、見込みのある少年と大塚先輩が最高だった。少年に対しては、元家庭教師という立場から、ストレートに表現できず周りくどい表現をしたり、大塚先輩に対しては、下衆極まりないやり取り。卑怯者の代名詞に成り下がった守田の行動は最高に笑えた。

最近の作品は円熟してきたのか、シリアスが多い感じになってきているが、こんなくだらない感じの森見登美彦の方がが好きです。超愛してる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2025年1月13日
読了日 : 2025年1月13日
本棚登録日 : 2025年1月13日

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