銀河鉄道の夜

3.65
  • (20)
  • (28)
  • (32)
  • (5)
  • (3)
本棚登録 : 346
レビュー : 43
著者 :
abba-rainbowさん 宮沢賢治   読み終わった 

河合隼雄の「人生読本」を読み進めるうちに、先生が紹介される本に自分でも読んでみたいと思った本が多数あったのだが、その中でまずこの本を読んでみることにした。

日本人なら誰もが知っているこの本、未読だけれども今さら読む意味があるのかという気持ちのまま今日まできたが、河合先生のオススメに背中を押され、夏休みの少しの夜更かしを利用して読むことにした。青空文庫に感謝。

主人公ジョパンニとその友人カムパネルラの銀河鉄道の旅の物語。いや、主人公ジョパンニの夢の中の物語か。
単なるファンタジーではなく、様々なとらえ方ができる小説だと思う。著者はハッキリとした結論めいたことで小説を締めてはいない。

以下、ネタバレとなります。後日、何かの発見があるかもしれないので、自分なりの大まかな粗筋をメモっておくこととします。

***

「午後の授業」では、理科の授業で、ジョパンニやカムパネルラが銀河についての授業を受けるシーン。

「活版所」ではジョパンニが放課後、活版所でアルバイトをするシーン。

「家」では、ジョパンニと病床に伏せる母親との貧しい暮らしのシーン。父親は出稼ぎで戻らない。友人のカンパネルラの家には、アルコールランプで走る汽車がある。

「ケンタウル祭の夜」では、ジョパンニは祭りのために飾られた街で、「星座早見」を見つけ、その図に見入る。学校での授業も思い出しながら。しかし、祭の賑わいを通り越して、母のための牛乳を求めに行く。

「天気輪の柱」 ジョパンニは、牧場のうらの丘の頂上に寝っ転がると、夜空に星がまばたき、そこへいつのまにか野原から汽車の音か聞こえてくる。

「銀河ステーション」 いつのまにかジョパンニは列車に乗っていて、その列車にはカムパネルラも同乗していた。窓の外の幻想的な景色が流れる。

「北十字とプリオシン海岸」 白鳥の停車場で20分の停車時間に銀河の川の水に触れたり、プリオシン海岸で考古学者が遺跡を採掘しているかのような不思議な現場に出くわす。

「鳥を捕る人」でも不思議な光景。白鳥区で列車の中で鳥を捕る人と出会う。彼が鳥を捕ると平べったくして保管し、時おりそれを食べるとお菓子ようにうまい。

「ジョパンニの切符」では、車掌が切符の拝見にくる。鳥捕りも、なんとカンパネルラも切符を持っていたが、ジョパンニは切符の意識がない。苦し紛れに上着のポケットに入っていた紙切れを出すと、それはどこまでも乗車できる切符だった。

その後列車の中で、船が難破したという姉弟と同行の青年と出会う。彼らとの旅が始まる。様々な会話や体験があり、ジョパンニの感情は変化するがやっと仲良くなれたころ、サウザンクロスで姉弟と同行の青年は下車し別れる。彼らは天上の世界へ行ったのか。

再びカンパネルラとの二人旅となったジョパンニは「本当の幸いをさがしに、どこまでも行こう」と決意をする。が、カンパネルラの姿はいつしか見えなくなってしまう。

一人になったジョパンニは、自分のために、母のために、カムパネルラのために、みんなのために本当の幸福を探す決意をする。

そうして、ジョパンニは丘の草の中で眠っていた自分を発見する。ちょうど夢を見ていた頃、友人のカムパネルラが水に溺れた友を助けるかわりに自らの命を失っていたことを知る。

同時に、出かけたままの自分の父が、帰ってくるという元気な便りを数日前に送っていたことを知る。

様々な思いを胸にいっぱいにし、牛乳を持って、父のことを知らせようと、病床の母のもとへ駆け出すシーンで幕は降りる。

レビュー投稿日
2018年8月17日
読了日
2018年8月17日
本棚登録日
2018年8月16日
3
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『銀河鉄道の夜』のレビューをもっとみる

『銀河鉄道の夜』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。

いいね!してくれた人

ツイートする