貧困の入門書として分かり易く、データなどの資料も明示されています。ただ、提言が少なく、事例がないことがネックだと思いました。
貧困を語ることは困難で複雑なため、国際的な取り決めをされていても国ごとに異なることも指摘しています。
経済の発展によって、人口増加・大量消費・大量消費を経験してきました。
その中で富を持つもの/もたざるものの差が広まってきていることが問題となっています(ex.1%vs99%)
グローバリゼーションの現在、世界各国が交易や資本などで依存し、関係が深くなる。
その中で、人種・宗教・政治・経済・軍事などの複合要因が絡まり、人々を拘束してしまいます。
本著では、
東南アジアなどの貧困解決の道
①格差縮小への取り組みを進めること
②国の民主化ー住民の経済社会への参加と市場の拡大
を提唱しています。
日本
①第一次+二次+三次産業=第六次産業
(簡略化して言うと、 生産、加工、販売までの一括した産業を作り上げる)→農業のブランド化 地元の雇用創出 人口減少への歯止めなど
②観光地化
世界遺産の登録・地域に特産物やご当地キャラクター・グッズなど地域に根差したものを作り、観光地として売り出す。
メリット・デメリットがあるので、この策が全て正しいわけではないことに注意してほしいです。
今後は
先進国が少子高齢化による人口減少
発展途上国が経済・人口増加
この流れが加速していき、世界の勢力図が大きく変化していく可能性があります。貧困は作られるものだという筆者の意見にグッと心を動かされました。
- 感想投稿日 : 2014年6月22日
- 読了日 : 2014年6月22日
- 本棚登録日 : 2014年6月22日
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