「ストーカー」は何を考えているか (新潮新書 567)

著者 :
  • 新潮社 (2014年4月17日発売)
3.62
  • (17)
  • (26)
  • (27)
  • (7)
  • (2)
本棚登録 : 347
感想 : 43
4

<感想>
ストーカーの心理を学ぶことで、執着心を捨てるヒントがあるのではと考えて手に取った一冊。逆自己啓発本というか、心が囚われた人間の行動を知ることができた。特定の誰かにつきまとうことは無いが、ストーカーが執着から離れて回復するきっかけや方法などは、妄想に囚われやすい人には参考になると思う。

見たい物だけを見る。納得できない現実は存在しないものとする。それがストーカーの心理のようだ。そのように現実を認識しているとどうなるかというと、周りの人間が間違った行動を取っているという「認知の歪み」が発生する。間違っている行動を是正させるため正しい行動がストーキングなのだろう。

「認知の歪み」が自分に向かえば鬱になり、相手に向かえばストーキング行為になる。

「自分だけは違う結果になるはず」という妄想は、仕事上でよく見かける風景だ。そういう角度で読むと、自己啓発の示唆に富む一冊であった。


<アンダーライン>
・ストーカーは相手に対して「疑問」や「疑念」、「要求」を抱いていて、その回答を相手から直接得ようとして「追及」している。その現われがストーキング行為
・彼らが渇望しているのは一般的な正論「一般解」ではなく、相手からの個別で具体的な回答、つまり「特殊解」なのです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会
感想投稿日 : 2021年1月8日
読了日 : 2021年1月8日
本棚登録日 : 2020年12月19日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする