ムハマド・ユヌス自伝: 貧困なき世界をめざす銀行家

  • 早川書房 (1998年9月30日発売)
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感想 : 65
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もうそろそろ読み終わるが、本書は単純な貧困問題だけでなく、社会システムのあり方、個々人の人間の幸せとは、そして自分の人生自身についても深く考えざるをえない傑作だ。

決して施しではない。施しはむしろマイナス。ローンという自己責任で完結するからこそ生まれるもの。

生きる環境を整える、そしてローンの債務者に生きる意欲や自信をつけさせ、そして生きる希望と幸せを債務者自身が実感し、見出していく姿。

自分の力で生きることが、世の中の役に立っている、誰かの役に立っていることに直結している。お客様からお金をもらうということはそういうことだ。お客様がお金を払って自分が用意したモノ・サービスを受けるということは、お金を払うだけの価値をお客様が見出したからこそ。

つまり人(お客様でも雇用主からでもいい)からお金をもらうということはそういうもの。人間が幸せになるとは、人の役に立ち、それが実感できることではないか。自分が生きる社会の中で自分の存在価値が実感できることだと私は思う。

本書を読みながら、マイクロクレジットの広がりをみると(発展途上国も先進国も)、これは人類共通の価値観なのかもしれないと、自分が半世紀近く生きてきて初めて知った。

2段書きで読む量は大量ですが、マイクロクレジットに興味がなくても、是非読むに値する本だと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会
感想投稿日 : 2013年1月23日
読了日 : 2013年1月23日
本棚登録日 : 2013年1月23日

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