人間の本能

  • 新曜社 (2008年6月27日発売)
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人間の行動には、進化の歴史が潜んでいる。その具体例を様々な切り口で探っていく科学書。例えばマクドナルドが成功していて、現代人がダイエットに成功しない原因を、サヴァンナに暮らす人類の祖先であるホミニッド(猿人)の食生活に見る。そこでは動物の肉(タンパク質)と果実(糖分)が何よりも重要な栄養源であったから、今なおその誘惑から逃れられない。そして現代において食用に供される家畜の肉は、野生動物に比べて遥かに脂肪が多く、太りやすい。また男性が一般に若い女性を好み、隙あらば浮気をしようとするのも、遺伝子を残す確率を上げるために至極合目的である。もちろん女性がそれを拒んで、自分とどの子供だけに独占したいと思うのも合目的である。ただ最終章の「道徳と神」においては納得させられる回答はなかったように思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 教養
感想投稿日 : 2009年12月10日
読了日 : 2009年12月10日
本棚登録日 : 2009年12月10日

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