舞台はビルバオから バルセロナへ。
あの有名なカーサミラやサグラダ・ファミリアの登場は予想の範囲だけれどペドラルベス周辺は当然のように全く知らず、上巻の最初の方に登場したあの図はそうだったのか!と、検索してしまう。
カルト教会 ネットのリーク記事 近衛兵隊 王宮セキュリティなどなどが次々に登場して話を進めていくが、混乱させずに読ませていくスッキリさもさすが。
また、殺人事件モノでありながら犯人はだれか?よりも 「人類はどこから来て、どこに行くのか?」という普遍的な問いへの興味が主軸になっているのも、なにか楽しい。
大団円が近づくにつれて「プレゼンテーションの聴衆を最大にする」というフレーズがちょいちょい登場するので、最後はある程度予測がつく。
が、きちっとそこを書き込むことで、IT時代の長所短所をちゃんとおさえておくオーソドックスさというか用心深さも手馴れているなぁと感じる。
ダン・ブラウン級ともなれば 向こうからやってくるネタも多いだろうし 的確な取材もしやすかろう。
それでも、無関係なモチーフをうまく繋ぎあわせる手腕には畏れ入る。
それを可能にさせているのはブラウン氏の揺るぎない体系的な教養であろう。
上品な娯楽本でありました。
あ〜〜 ビルバオ行きたい!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2019年5月18日
- 読了日 : 2019年5月18日
- 本棚登録日 : 2019年5月18日
みんなの感想をみる