盤上の夜 (創元日本SF叢書)

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本棚登録 : 768
レビュー : 161
著者 :
adagietteさん 日本の小説   読み終わった 

宮内氏のデビュー作、なのかな? 
盤上ゲームをモチーフにした短編6つ

表題作は囲碁。天才棋士由宇 の設定がすごい ...
修学旅行中に中国で誘拐され、手足を切り落とされて性奴隷として生きてきたという ....
衝撃的な設定だが、自分の意思はまったく関係なく異文化の中に放り出されて、それまでに身につけた生存手段をもぎ取られる感じを見事に表している。

過酷な状態を生き延びるべく身につけた手段に押しつぶされるように壊れていく由宇とどうしようもなく寄り添うプロ棋士の絆のはかなさよ.... 人って孤独ですね。

人間の王 は チェッカーというゲームで生涯負けなしであったティンズリーという実在の人物の話。
かれがコンピューターと対戦する経緯とその後がインタビューの形をとって丁寧にかかれている。
すごいよ、これ。 シカケもいい。

清められた卓は麻雀
都会のシャーマン優澄の不思議な打ち筋、これ麻雀に詳しいともっと面白いんだろうなぁ...
優澄の為した癒しを解き明かす赤田との関係は 盤上の夜のそれとも近いが、麻雀と囲碁の違いもよく描かれているので、新鮮に読める。

像を飛ばした王子 は 釈迦の子 ラーフラが主役
チェスの元となったインドのゲームができたころのことが この斜陽の一族の話とともに描かれる。
参考文献、すごいよ!

千年の虚空は、一人の破滅的な女性を挟んだ兄弟のどろどろ..... 兄弟は将棋棋士として心を病んでいく。
家庭で愛を得られないとは、こんなに殺伐としたものか。こわーいこわーいこわーい

原爆の局 ふたたび囲碁に戻る。
風格のある一話。

これが宮内悠介。
遅くなりましたが、読めてよかった。

レビュー投稿日
2017年5月24日
読了日
2017年5月24日
本棚登録日
2017年5月21日
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