君の膵臓をたべたい

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本棚登録 : 8538
レビュー : 1266
著者 :
adagietteさん 日本の小説   読み終わった 

「本」データベースの紹介文:
=== 偶然、僕が拾った1冊の文庫本。それはクラスメイトである山内桜良が綴った、秘密の日記帳だった―圧倒的デビュー作! ===

青春ラブの変形バンパイアモノ仕立てかね、くらいに思って、まったく興味をそそられずにいた。 
本屋大賞も売りたい路線まっしぐらか くらいに思っていた。
さらには、友人が是非に ! と貸してくれなかったら、先入観にとらわれて最後までたどり着かなかったかも。

ごめんなさい。
よかったよ、この作品!

10代のある時期を振り返ると、そこだけ拡大鏡で引き伸ばしたような濃密が時間が存在する、こともある。
たぶん、そんな感じの時間のこと。。

恋愛小説ーーーかもしれないが、それよりも、個と依存(あるいは甘え)の話。
自分で自分を育ててきた”僕”と、他人とのつながりの中で生き生きと育ってきた咲良。
咲良は病で余命を宣告されているが、家族以外の誰にもそれを伝えてはいない。
”僕”がひょんなことから、咲良の病を知ったことで、2人は”仲良し”になる。

”仲良し”
恋に落ちたのではない。
互いを映す鏡と時を共有するようになったのだ。
いささか心地悪く。

個を確立している、悪く言えば自分の殻にこもっている”僕”の言葉はとても興味深い。
兄弟が減り、安全確保のため子供の行動が管理されて、喧嘩したりムチャしたりしながら他人との距離を覚えていく機会が貧しくなってこういう感覚の子が増えているのかもしれない。

その”僕”に、いかにも強く逞しい精神の持ち主に見える咲良がどっぷり甘えてくる。
甘えるったってにゃーにゃー ってことじゃない。
気を遣うことなく安心してお願い事を言える、とでも言えばいいのかな?

互いの個性に助けられながら、咲良は生き抜き、”僕”は一気に成長する。
昭和の高校生の精神構造もこんなだったろうか ........ こんなに深く考えてみたことはないなぁ .....

見守る親たちの有り様も良い。

すすめてくれた友人への感謝と、先入観もっちゃったお詫びをこめて星5つで。

レビュー投稿日
2016年11月7日
読了日
2016年11月7日
本棚登録日
2016年11月7日
8
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