「慶次郎縁側日記」シリーズは、随分と数多くありそうなのだが、なぜか、この本が「出会い」となった。
主人公の森口慶次郎は元定町周り同心。仏と名前がつくほど人格も優れた同心だった。その森口に惹かれる主人公の周りの人間たちを濃く深く描いたのがこの「脇役」
一つ間違えば、悪の道をさまよい、落ちぶれてボロ屑のような人生を歩くはずだった者。
心深く思いを持ち続けた相手の女房が、悪人に殺されるように亡くなり、思いを伏せて、嫁ぐ娘。
上役でもないのに、なぜかいつもきになる慶次郎の眼差しに、いつもヤサグレた心に一つ、真白きものを養う男。
短編のような小節を組み合わせて紡がれるこのシリーズは、急流を流されるように読むシリーズではなく、一つ一つ時に外の景色を見るように、読む本なのかもしれない。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2018年11月21日
- 読了日 : 2018年11月21日
- 本棚登録日 : 2018年11月21日
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