星やどりの声 (角川文庫)

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本棚登録 : 1663
レビュー : 162
著者 :
ナニモノさん  未設定  積読 


三男三女がいる家族の物語。

海沿いの街を背景に、きょうだい達がそれぞれの道でもがく姿が、とても爽やかな印象でした。

1「すごくうるさい。すごくうるさいけれど、その中に入ってしまえば気にならない。
こういうとき何も考えずにいられる人間のほうが、きっと、社会に出てからたくましく生きていける。」

この感覚は、とても共感しました。
何も考えずに楽しめばいい時に、ネガティブなことを考えてしまい、一瞬、温度が冷めてしまう。
その結果、さまざまな場面で損をしてしまった経験が、自分には多いと思った。

2「学費は親に出してもらって、バイクだって買ってもらって、自分の行きたい大学に行って、ストリートライブをして、好きな時に好きなように曲を作る。そんな佑介のそばにいて、確かめたいことがあった。
お金と自由、その二つを持っていても、夢はかなわないということもあること。」

自分も佑介のような立場なので、心が痛かった。
経済的に恵まれない環境下で、自分勝手なことができない小春は苦しかっただろうと思う。
でも、お父さんがくれた夢だけは捨てられない。
小春ほど、夢に向かって、めげずにひたむきに頑張っている人はいないと思う。

3「お父さんは、ほしのり、が欠けて途切れてしまう輪を、ほしやどり、で繋ごうとしたの。」

きょうだい6人と、夫婦2人の名前のしりとりで作られた輪。
その輪から、父がいなくなる。だからその代わりに作られたのが、ほしやどりだった。

朝井さんの作品の中では珍しい、ロマンチックな結末だったと思う。


レビュー投稿日
2019年8月26日
本棚登録日
2019年8月4日
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