どうしても生きてる

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本棚登録 : 1141
レビュー : 99
著者 :
afro108さん  未設定  読み終わった 

現代を生きている人々を切り取った短編集。
 同世代ということもあり自分が普段ぼんやり考えていることが言語化されている瞬間があまりにも多くて読んでいて頭がクラクラした。しかも、その書き方も身もふたもない芯をくったクリティカルヒットを放ち続けるから読んでいる方もかなり削られる。ゆえにオモシロかった。
 6つの短編の中で一番好きだったのは「流転」。最近のHIPHOPムーブメントについて、著者から見たオモシロさの分析?といっても良いだろう部分が興味深かった。そして何よりも大人になるってこういうことだよな、と思うくらいに重たい。生きることはしんどいことだと思い出させられる。最後の「どこに進んだって後ろめたさの残る歴史を歩み続ける以外に、この人生に選択肢はない。」ってラインとか厳しすぎて泣いちゃいそうになった。あまりにも残酷で。
 パンチラインの雨あられで、しかもそれを繰り返したりするから心の奥深くまで浸透するようだった。普段思っているけれど口に出してまで確認しないことにフォーカスしていて、その清濁を合わせ飲んでどうしても生きなければならない2019年、2020年の今が真空パッケージされている。景気がいいと言われ平和でもあるはずなのに、なんでこんなに心がクサクサして豊かな気持ちになれないのかを延々と語っている。清貧な中にもゆとりのある丁寧な生活とか言う奴へ冷や水ぶっかけて洗いざらいの事実を言ってしまう、ある種の狂気性はこの時代の1つの楔になっていると思う。

レビュー投稿日
2020年2月14日
読了日
2020年2月14日
本棚登録日
2020年2月14日
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