生徒指導の哲学といった内容で、論語を座右の書とする筆者の言葉の選び方が力強く、入門書とは思えない濃厚な内容。
生徒指導の心得と言える本で、ノウハウよりもまず、学校がなんのためにあるのか、生徒指導の目的とは、という本質を述べる。
ブレない指導のため、生徒指導を成り立たせるために、目的を意識することが大切ではあるが、目標と目的は分けて考えなくてはならない。
ダメなものはダメであるが、なぜダメなのか、根を詰めて考え抜き、哲学としてそれぞれの教員が考え抜かなくてはならない。
さらに、この本の筆者はたいへんストイックな人で、毎朝四時に起床し、哲学的な本や論語を学び、肉体を鍛え上げたり、トイレを素手で掃除するといったことをしているそうだ。
なんのためかというと、生徒に人格の完成を求めるのならば、人として徳を求めていく必要があるからだと語る。
ここまでストイックにはできない!と思うのだが、食事や運動、早寝早起きといった生活習慣、志を高く持つこと、それが生徒指導をうまく行かせるためには不可欠というのは納得ができる。
そもそも自分が向上心がないと思っている中で、人を指導はし切れない。どこか自分にはそんなことを言う資格はないと自信がないままに言葉だけが一人歩きする感じがする。生徒にもそういった教員の立ち振る舞いは伝わるものだと思う。
生徒指導の原点にかえり、より良い指導のための心構えを思い出したいときに読み返したい本。
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- 感想投稿日 : 2019年4月1日
- 読了日 : 2019年4月1日
- 本棚登録日 : 2019年4月1日
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