サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

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本棚登録 : 4500
レビュー : 337
制作 : 柴田裕之 
ahuksunさん  未設定  読み終わった 

この本では、サピエンス、つまりヒトという種が、いかに興隆していったかを独特の切り口で論述していきます。
それをすべて「虚構」というもので一貫して語っている点が非常に興味深い。
かなりのボリュームと深みがあるので、一度なでるように読んでいるだけでどれくらい理解しているのかわからないけれど、それでも目に留まる記述が面白い。

紙を価値のある物として信用しているという話や、人種差別、国という虚構の概念を信用することで世界が成り立っているという話など、どこかでふわっと考えていたことはあるけれど、それを丹念に書いてくれています。

「虚構」に基づいて世界が構築されていると論じられていくと、なんだか空虚にも思えてくるけれど、人間が「こうだ」と信じている部分はほとんど虚構で、目に見えない抽象概念にどれほど寄りかかっているかを再認識させられました。
そう考えると、人間の想像力、見えない部分をカバーする能力というものは、本当に優れているんだと思います。
私たちは他者の存在、国の存在、また過去の人々が紡いでいった遺産の上でそれらの虚構を上手く引き継ぎながら、あるいは統率したり、馴染んだりしながら生きている…こう考えてしまうと、人の想像力の可能性の高さに驚きを隠せなくなる。

筆者は虚構が作り上げる巨大なシステムを明らかにしようとしているのだろうと思います。
いろんな切り口から人の想像力について述べていて、ときには力強くも見えるし、ときには残酷で傲慢にも見える。
ただの人類史的な本ではなく、「人とは何か」ということまで考えさせられる骨太の内容です。

レビュー投稿日
2017年3月3日
読了日
2017年3月2日
本棚登録日
2017年1月5日
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