14歳の少年による、ある休日の記録。
自然や植物の豊かな描写の中で、
「僕は、僕たちはどう生きるか」について考えられている。
梨木さんの書く少女も女性も青年もすてきですが、
中性的で落ち着いた表現だから、少年の主人公をいつか読んでみたいとおもっていたんです・・・
そして、自分の存在意義とか哲学的なこと考えるならやっぱり、少年でなければと、おもうし、
理想や正しさをいやらしさなく語れるのは、少年の特権な気がする。
そんな象徴的少年に、コペルとユージンはぴったりでした。
たくさんの問題提起があって、
梨木さんから『あなたはどう考えますか』と言われている気分。
流されて、その他大勢で生きることは楽だしとても安全で、
でもそれに甘んじていると、なにも考えなくなる。
考えなくなることは、一番、怖い。
わたしがいま、この作品から受け取ったメッセージは、
「考え続けなさい」ということ。
読む時々によって、いろんな読み方ができそう。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
静謐な本
- 感想投稿日 : 2013年9月15日
- 読了日 : 2013年9月15日
- 本棚登録日 : 2013年9月14日
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