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皿と紙ひこうき (講談社文庫)
- 石井睦美
- 講談社 / 2014年5月15日発売
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第51回日本児童文学者協会賞。
九州の田舎の女子高生・由香が主人公。一子相伝の陶芸家の家に生まれる。友達・絵里や弁論部の先輩、親戚、転校生などを通して、この町から出ることの意味を考える。
あとがきによると舞台は大分県日田市らしいが、九州弁が変な箇所が多くて、ちょいちょい読むのにひっかかる。
2018年6月10日
第27回横溝正史ミステリ大賞。
大資産家に住み込みで働くことになった女看護師・奈緒。遺産をめぐって実子たちと駆け引き。
2018年6月10日
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利休にたずねよ (PHP文芸文庫)
- 山本兼一
- PHP研究所 / 2010年10月12日発売
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第140回直木賞。
千利休の生涯についての時代小説。利休の茶の湯へのこだわり、秀吉との確執など、こと細かに描かれている。
人物描写が細かくて理論的。あとがきで「火天の城」と同じ作者だと知って、なるほどと思った。
2018年6月10日
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こっちへお入り (祥伝社文庫)
- 平安寿子
- 祥伝社 / 2010年12月9日発売
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ホテルローヤル (集英社文庫)
- 桜木紫乃
- 集英社 / 2015年6月25日発売
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小さいおうち (文春文庫)
- 中島京子
- 文藝春秋 / 2012年12月4日発売
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切羽へ (新潮文庫)
- 井上荒野
- 新潮社 / 2010年10月28日発売
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花まんま (文春文庫)
- 朱川湊人
- 文藝春秋 / 2008年4月10日発売
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第133回直木賞。
不思議なイイ話が6つ詰まった短編集。
表題作の「花まんま」は特に、ゾッとするような恐さを感じる瞬間もあるが、結末は妹を思う兄の気持ちが勝ってハッピーエンド。いい話。
「トカビの夜」「摩訶不思議」もほっこりする話。
子どもの時には見えていたものが、大人になると見えなくなる、そんな隠れたテーマがあるかのよう。
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対岸の彼女 (文春文庫)
- 角田光代
- 文藝春秋 / 2007年10月10日発売
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第131回直木賞。
常識はずれの精神科医の話。
表題の「空中ブランコ」など全5編からなる短編集。全部で5人の患者がこの精神科医のもとを訪れ、彼の破天荒な行動に振り回されるうちに、それなりになんとなく心の悩みが解決されていく。
2010年7月3日
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沖で待つ (文春文庫)
- 絲山秋子
- 文藝春秋 / 2009年2月10日発売
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土の中の子供 (新潮文庫)
- 中村文則
- 新潮社 / 2007年12月21日発売
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第133回芥川賞。
幼い頃、預けられていた親戚から虐待を受けたタクシー運転手の話。
生き埋めにされた記憶が、結末のセリフに結びついて(決してハッピーエンドではないが)うまくオチが付く。
2010年7月17日
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グランド・フィナーレ (講談社文庫)
- 阿部和重
- 講談社 / 2007年7月14日発売
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第132回芥川賞。
冒頭は離婚したロリコン男が、近づくことすら許されない一人娘の誕生日にプレゼントを贈るエピソード。
後半は主人公が田舎に帰って文房具店で働いているところに、ひょんなことから小学生の女の子の演劇指導をするはめになってしまう話。
2010年7月8日
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蛇にピアス (集英社文庫)
- 金原ひとみ
- 集英社 / 2006年6月28日発売
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第130回芥川賞。
女の子が舌にピアスを入れ、背中に刺青を彫る話。
女の子の彼氏は、からんできたチンピラを殴り殺してしまう。女の子は彫り師とアブノーマルなセックスを楽しむ。本名や素性を知らない者同士が、なんとなくのようで一途に生きている世界。
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蹴りたい背中 (河出文庫)
- 綿矢りさ
- 河出書房新社 / 2007年4月5日発売
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第130回芥川賞。
群れたがらない女子高生・ハツと、ファッションモデルに夢中なオタク男子高生・にな川の話。
ハツはにな川の家を訪れたりするうちに、彼を痛めつけたい衝動にかられる。青春小説のようで青春らしさがあまりなく、人付き合いに不器用な2人が意地を張りながら高校生活を過ごす。
2010年7月17日
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しょっぱいドライブ (文春文庫 た 58-2)
- 大道珠貴
- 文藝春秋 / 2006年1月11日発売
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パーク・ライフ (文春文庫)
- 吉田修一
- 文藝春秋 / 2004年10月8日発売
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第127回芥川賞。
サラリーマンである主人公と、日比谷公園で出逢った女性の話。
2人は公園でよく昼休みに顔を合わせ、もう1人の公園の常連に声をかけたり、写真展に行ったりする。お互い名前すら知らないけれど、どちらも中性的な感じがして潔い。「公園ってそういうところ」という暗示のような気もする。
離婚したがっている知人夫婦、母親、元カノ、会社の先輩なども登場するが、主人公はいずれも深く干渉しない。でもたまにズバッと切り込んでくるシーンが出てきてはっとさせられる。小説全体を通してずっとそんな感じ。
2010年7月16日
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猛スピードで母は (文春文庫)
- 長嶋有
- 文藝春秋 / 2005年2月10日発売
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第126回芥川賞。
団地に住む母子家庭が主人公。
母は働きながら、小学生の息子を育てている。母はたばこも吸うし、男と旅行に行ったりもするが、息子とうまくやっていこうと母親役を演じる。息子はいじめに遭いながら、母親に心配かけないように子ども役に徹する。
父子家庭とはまた違った親子関係に、危うくも深い絆が感じられ応援したくなる。
2010年7月28日