本音と建前がいつも違って、でもそのどっちが本音なのか自分でも分からなくなってしまう。建前を経て本音も心から変わっていってしまう。
 建前が格好良いし、そう生きたくて生きていた時代で、でもそんな生き方は歪んでいたし、死ぬ道なんか歩きたくはなかった。
 そういう一言に言いきれない侍という化物たちの歪んだ生き様がとても胸に来た。

 人を憎みながら、憎しみの対象が姿を得たような男を生かしたいと願って泣いた一さんがとても好き。

2016年6月19日

読書状況 読み終わった [2016年6月19日]
カテゴリ  ∟文春
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 侍という化物の話。

2016年6月19日

読書状況 読み終わった [2016年6月19日]
カテゴリ  ∟文春
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 まず何より技術がすごい。
 なんだこの文体自由自在みたいなやりたい放題の構成。そのどの文体も読んでいて心地よくなる上品さがあってとても好き。
 内容は理路整然としつつよく考えるとよくわからない。作中にあるドグラ・マグラと同じ印象。
 読んでて胸に刺さるところが沢山あったんだけど、終わってから読み返すとどこが刺さっていたのか分からなくなる。とにかく良く出来た話だったと思う。また通しで読みたい。

2016年5月29日

読書状況 読み終わった [2016年5月29日]
カテゴリ  ∟昭和前
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 脳髄で考えても分からぬ話。

2016年5月29日

読書状況 読み終わった [2016年5月29日]
カテゴリ  ∟昭和前
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 物語の収束していく感じに少し安心し、イメインへの感情は多少解消されたけれど、ギルクリストへのもどかしさは解消されていない気がする。
 長引かせるために挿入されたままならなさというか。通信に関しては書かれた時代のこともあるのだろうけれど、どうも水増し感が払拭されない。訳者がこのプロットでこれだけの長さを書ける人はそういない、というような評価をしていたけれど、じれったさを感じながら読んだ身としてはそもそもこれだけの文量は要らなかったのではないか、という感想。シリーズものというので、続きを読んだら印象が変わるんだろうか。
 ローシュ神父が好き。

2016年4月23日

読書状況 読み終わった [2016年4月23日]
カテゴリ  ∟アメリカ

 すごくじれったいというか、お話が進まなくてもどかしいなーと思うところが多かった。

2016年4月23日

読書状況 読み終わった [2016年4月23日]
カテゴリ  ∟アメリカ

 頑固+頑固で読むのが少ししんどかった。主観によってキャラクターの見え方が違うのは楽しいんだけど、この調子で続刊出たら読めるかなぁ……という感じ。もうすこし静かな目線からふたりを見てみたいなあと思った。

2016年4月23日

読書状況 読み終わった [2016年4月23日]
カテゴリ  ∟講談社
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 本編に対して薄味過ぎるというか、これを「本編の登場人物達は実はこんな人でした」という体で読むと行き届いていない感じがするので、独立した別物として読むのが私には丁度良いような気がした。

2016年3月21日

読書状況 読み終わった [2016年3月21日]
カテゴリ  ∟文春
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 気楽に読めるシリーズだった。
 本編で、平野さんの内面がわからないなーと感じていたので、ここで読めて楽しかった。

2016年3月21日

読書状況 読み終わった [2016年3月21日]
カテゴリ  ∟講談社
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 どう言ったらいいのかなー。
 内容に対して文量が適切ではないような感触がした。特に大鷹くんに関する描写で。どういう行動原理で動いているものとしたいのか、それがどういう現象なのか、伝えたいことは分かるんだけれども、京極夏彦の精緻な文章で描写されるとどうもズレた感じがする。言葉が多すぎて逆に表現仕切れていないと思う。
 馬鹿の考えていることって、多分そうなんだろうなとは思うけど、そうであるものとして表現したらやっぱりそれは別物なのではないかと思う。妖怪を科学で語るかのごとく、馬鹿を賢い文脈に落とし込もうとしていないか?
 その大鷹くんの表現への違和感が勝って、物語全体もご都合主義味が強く感じられたのがとても惜しかった。

 京極堂がめちゃくちゃ迂遠に関口君の作風を気に入ってる素振りを見せたところ好き。

2016年3月21日

読書状況 読み終わった [2016年3月21日]
カテゴリ  ∟講談社
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 伯爵の目から見た関口君がとても素敵な人に感じられたのが印象的というか、好きだとか好感だとかいう言葉をまあ偶には使うけどそれほど頻出させないでここまで「好意的な解釈」を表現、実践出来るのかと感心した。読んでてこちらが照れてしまう。書斎の対話がとても好き。

 面白くない事態になって、あいつらがちゃんと依頼すればちゃんと出来たんだって拗ねる榎さんが、見ていてとても可哀想に感じた。目も見えないし、分かることは多いけど何をしたらいいのか分からないし、振る舞いはいつも通りでも大変だったんだろうなあと思う。

 関口君がずっと言葉に出来なかったことを、みんなの前で言葉にさせてあげた京極堂の優しいとこ好き。

2016年2月21日

読書状況 読み終わった [2016年2月21日]
カテゴリ  ∟講談社
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 動きたくても動けない京極堂とか、それを唆す榎木津とか、独自の方法で進んでいく木場さんとか、何も言わないでも枝分かれして一本の毛先に向かっているのが大変ぐっときた。
 関口君が壊れないことを祈るしかないって言う京極堂がいじらしい。あと京極堂がよく怒っていたのでそれもなんだか思い浮かべる度に胸がいっぱいになる。
 覚悟を決めて啖呵を切る様子はとても格好良かったし、ただ突き出すのでなく本人に納得させたのは彼らしく上手いやり方だなあと思った。
 京極堂にだって嫌なことはあるし嫌いな奴はいるんだ。始末が済んでとりあえずよかった。
 関口君と京極堂がじゃれあってる様子をまた見たい。

2016年2月11日

読書状況 読み終わった [2016年2月11日]
カテゴリ  ∟講談社
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 どこかで大きく関わってくるんだろうなって思ったけどこんなに素早くフラグ回収することなくない?
 前巻で得た感情がぷっつり切られて呆然としてしまった。とても悲しかったけど道の先に明るさがあるんだと思えていたし、出てきた彼女が凛としていて素敵だったのになんということでしょう……。
 収まりが付かないので後編を急いで読むことにした。

2016年2月11日

読書状況 読み終わった [2016年2月11日]
カテゴリ  ∟講談社
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 ひとがいっぱい死んだのでとてもかなしい。
 最後まで読んで本を閉じた瞬間がとても悲しくて、時間をおいてから最初の場面を読み直して少しだけほっとした。多分これもまた何処かで大きく関連してくるんだろうなあという気がするけれど、すくなくとも彼女主導ではもう連鎖しないんだ……。
 誰もが登場人物になってしまう事件に関口君が関わらなかったの面白い。でも時々名前が挙がるので、彼らは繋がってるんだなーって感じられて嬉しかった。
 最後の場面でじゃれ合ってる京極堂と関口はとてもかわいかった。悲しい気持ちはあったけど癒された。
 仁吉さんが好き。おじいちゃんかわいい。

2016年1月30日

読書状況 読み終わった [2016年1月30日]
カテゴリ  ∟講談社
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 ものすごく面白かった!
 冒頭で昔を懐かしみながら楽しそうに旅行へ誘っていた京極堂が、最後には時を止めた人を豪く憎いとまで言ったのがなんだか胸に残る。
 いろんな凝り固まった檻の、見出されて開かれていくのを読んでいるとスッとした。それぞれ克己していて嬉しくなる。
 山下さんが好きだなあ。最初は大分苛立たしかったけど、ちゃんと物事を受け止めるようになって格好良かった。山下さんをそこへ導いたのが、ついその前まで悩んでいた常信さんだったのも良い。菅野に最後の一押しをしたのは榎木津だったけど、久遠寺さんも、久遠寺さんの立場から言葉を紡いでいて素敵だった。
 榎木津さん今回特に優しかった気がする。ほんとにとても面白かった。

2016年1月20日

読書状況 読み終わった [2016年1月20日]
カテゴリ  ∟講談社
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 既読スキップ機能が欲しかった……。
 どうにも小説という形式とうまく溶け合えていないような印象が強かった。あってないような選択肢でも良いから簡単なノベルゲーム形式で出会いたかった。同じ文章を読みつつ「どこか違うのでは……?」ってうっすら考えながら進む心地の悪さよ……。
 登場人物達が充実した生活を送っているようでよかった。

2016年1月13日

読書状況 読み終わった [2016年1月13日]
カテゴリ  ∟角川

 伊佐間さんの見方がとても好き。
 視点が場面場面で変わるんだけど、木場さん視点になるとイライラして、降旗視点になるとなんかもう「これしかない」みたいな気分になって、伊佐間さん視点になるとみんなどこか可哀想だなっていうほんのり温かいような気持ちになるのがとても面白かった。
 関口君視点になるとなんだかみんなが優しいように感じられる。木場さんは「みんなの関口に対する言動が冷たすぎるように感じられるが自分もそうしてしまう」って思ってたけど関口君視点だとそうでもなくて、むしろ関口君視点で鬱陶しいのは関口君自身だった気がする。

2015年12月20日

読書状況 読み終わった [2015年12月20日]
カテゴリ  ∟講談社
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 この人とは考え方が合わないなー、ということを頻繁に感じさせられる本だった。
 感じることの一つ一つに大なり小なり違いがあって、時にはまったく逆の見地のようにもなるんだけど、それでも攻撃されるという感覚は無くて、考え方がまるで合わないけどこの人は別に敵じゃないなと思えた。
 ある部分に関しては鈍感が過ぎるなあと思わざるを得なかったけど、おおむね安心して読めるエッセイだったと思う。まったく考え方が合わないし共感しないし好きにもなれないけれど。

2015年12月10日

読書状況 読み終わった [2015年12月10日]
カテゴリ  ∟講談社
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 京極堂が関口君の本の掲載順を考えて置いてあげたシーンがとても好き。
 ご無沙汰すぎるのがちょっと面白くなくて鳥口くん巻き込んで小さな意地悪をして、それでもなんだかんだで目的を達成させてあげて、物事を進展させて一人になった時関口君の忘れ物に気付いて、京極堂は聡明だからきっとその忘れ物を見て関口君の用件が鳥口くんのそれだけじゃないことに気が付いてああ悪い事をしたなあ、言えば良かったのに、いや言えなかったのかってとこまで考えて、まだ決まってないんだろうって想像して自発的に考えてあげたんだろうなあという気がしてその思いやりがとても心地よい。
 最後の関口君の本を見て大笑いしているところも好き。

2015年12月9日

読書状況 読み終わった [2015年12月9日]
カテゴリ  ∟講談社
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 多分遠い昔に挫折していた本なんだけど、百器徒然袋を読んだ流れで再挑戦。
 主要人物、徒然袋でいう一味の関係性がわかりにくいんだけど、あちらを読んだ後に見てみるとなんだかんだでみんな仲良いんだなというのが分かって、読んでいて心地よかった。
 思いやりを持って接している彼らのありかたがとてもよい。半月口をきけなくなったのを中禅寺と榎木津が看病していたエピソードとても好き。

2015年11月29日

読書状況 読み終わった [2015年11月29日]
カテゴリ  ∟講談社
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 この時代、幸せに生きられた人なんて本当にいないんだろうなと思わされた。
 悪童日記を読んだとき、まさか話が進む毎にここまでひどくなっていくとは予想出来なかった。悪童日記には悪童日記のつらさがあり、ふたりの証拠にはふたりの証拠のつらさがあり、そして第三の嘘にも第三の嘘のつらさがあった。
 悲惨な時代だったんだと思う。
 故郷の兄弟に会うことだけを心の拠り所にして国境を越えた先で過ごしていたリュカが、やっと出会えた兄弟に追い返される悲しみ。ふたりの証拠での彼を覚えているからこそクラウスひどいと思ってしまうけど、その先で知るクラウスの辛さ。残された故の苦しみを見てはあの態度にもなってしまうと思える。
 君が死んでいるなら、君はいい役回りだ。
 詩を書いたクラウスがお母さんに見せて、「リュカならもっと上手に書くしきっと小説を書く」って言ってて、本当にリュカが持ってきた小説を見たクラウスの気持ちはいかほどだろう。
 何も期待できない世界で生きることと、期待を裏切られながら生きること。愛せないこと。
 列車への期待は裏切られないといいねと思ってしまった。

2015年11月23日

読書状況 読み終わった [2015年11月23日]
カテゴリ  ∟フランス

 悪童日記を読んで、続編読もうかなーどうしようかなーと悩んでいたんだけど結局読んだ。
 おばあちゃんや兄弟のいない寂しさはあるけれど、そっけない文章の中でも司祭様やペテールの優しさが感じられた。
 最後は女性に覚えてないの? って聞いていたことからもリュカなんだろうなと思いつつ、まだここで終わりじゃないんだろうなという予感とともに本を閉じた。

2015年11月23日

読書状況 読み終わった [2015年11月23日]
カテゴリ  ∟フランス

 旅先の人々の優しさがとてもよかった。
 迷子になった時いろんな人がわたしを目的地に辿り着かせようと懸命になってくれる、というのミチルさんの感想がとてもよい。
 破滅してそのままおわりだと思っていたミチルさんがまた芝居に戻れるのは、とても夢があるなあと思う。今ごろ戻れていたらいいな。

2015年11月23日

読書状況 読み終わった [2015年11月23日]
カテゴリ  ∟集英社
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 鮮やかな破滅だった。
 ここの選択が違えば少しは変化が、って思う所もあるにはあったけど、初めの段階でもう崩れていて、変化を起こしても取り繕いにしかならない感じがして、なによりミチルさんが破滅の予感を受け止めながら進んでいくので、もうこれでいいやと思ってしまう。
 実際この人が傍にいたらぜったい嫌だなと思うけど、これだけ切々と生きている人の芝居は是非見てみたい。
 愛したくても愛せなかったり、破滅に人を呼んでしまう業の深さ。それでもミチルさんが自分を愛せるのならよかった。

2015年11月23日

読書状況 読み終わった [2015年11月23日]
カテゴリ  ∟集英社
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