プロレタリア文学の代表とされる「蟹工船」。この小説は文芸誌「戦旗」で1929年(昭和4年)に発売され、小林多喜二によって書かれたものだ。また、この作品は国際的評価も高く、いくつかの言語に翻訳され出版されている。
「蟹工船」の初出は、伏字が多くあったため発売頒布禁止処分で小林多喜二はで不敬罪の追起訴となるなど刊行になるまで時間を費やした。
蟹工船の乗組員たちはほとんどが貧しい者であった。彼らは蟹工船に乗り、蟹を船の中で加工するのが仕事だった。しかし、この労働環境は劣悪なものであった。そんな環境に耐えられなくなった乗組員がストライキを起こす。彼らは劣悪な労働環境を変えることはできるのかが見どころだ。この作品にでてくる劣悪な労働環境というのは今で言うブラック企業のようなものだ。時代は違うが、この作品は現代とリンクしている部分を感じ取ることができる。
乗組員が自分たちの未来を変えようとする様子には感銘を受けるであろう。また、この作品は漫画化や映画化されており、文字が苦手な方にもおすすめしたい。
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- 感想投稿日 : 2020年10月26日
- 読了日 : 2020年10月26日
- 本棚登録日 : 2020年10月26日
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